雑記

白はどう描けば白に見えるのか、あまりにもわからなさすぎて泣きそうになった。白だけじゃなくって、人の顔も、空も、木も、何でも「どう描けば『それ』と認めてもらえるか」が頭の中をちらつく。四方に角張ったものを描けば見る人に「四角っぽい」と思ってもらえるし、円っぽく描けば「丸っぽい」と思ってもらえる。そういう、基本のキみたいなところでつまずいている。一回一回は大したことないはずなのに、つまずきすぎて、結局全身すり傷だらけの血まみれになっている。

たとえば「長い三つ編みをしている人間っぽいものを描きました。リボンらしきものもついてます。これは女の子の絵ですよね?」と見る人にうざったくお伺いを立てまくっている感じ。「これは白ですよね?」「これは空ですよね?」「これは木でしょう! ……ですよね?」みたいな。そうした確認作業をつねに、しかも架空の鑑賞者相手に続けながら絵を描いている。「ですよね! そう見えますよね!」と承認を得られたところでようやく次の作業に移ることができる。承認を得られなかった場合は「ただちに描き直させていただきます!」と修正に入る。その繰り返し。
この一連の流れが非常に疲れることだとわかった。いちいち他人に確認されながら絵を描くのは誰だって苦痛だろう。もっと自由に描かせてくれよと思う。それを架空の鑑賞者、つまり自分を相手にしながらやっているのだから意味もわからないし疲れて当たり前だ。
ただ、そうしながら描けたときの楽しさは何にも勝るものなので、これからも続けると思う。そうやって描けるものをひとつずつ増やせていけたら、とも思う。

おわり。

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