ホラー映画が苦手





怪談オカルト大好きだけど、ホラー映画が苦手。

大きな音が苦手。
静かになった場面、あーもー絶対来るヤツって身構える。
それでも音にビクッとしてしまって、「ね?怖いでしょ?」って言われたみたいで悔しくて納得がいかない。

幽霊ってさ、バーンとかドーンとか音で怖がらせるもんじゃないのよ。
もっと変わらない日常の中でぬるっと出てくるのが怖いんだと思う。静かな中の怖さよ。
シンプルこそ怖い。

さっきまで話していた人の顔が上下逆さまとか、誰もいない部屋で振り返ったら誰かが静かに佇んでいるとか、1人きり自分の鼻歌の中に知らない声が雑ざるとか。
もうそれは生身の人間だった方が怖いけど。
貞子なんかもさ、髪を前に下ろしてなくてもいいのよ。存在が怖いんだから。

小学校低学年の頃、学童保育で真っ暗ななか1人で帰っていた。
街灯もほとんど無い。
自分の足音とランドセルの揺れる音。
時々ある街灯の下の自分の影は黒く濃く、途方もなく深い穴が空いているようだった。
途中にある空き家は古く広く、壊れた塀から飛び出してくる枯れ草は穢れた手を伸ばして手招きをして掴もうとしてくる。

怖いと思って立ち止まると、そのまま足が動かなくなる気がして止まるのも怖かった。
どうなったら一番怖いかを考えながら帰った。
これが怪談好きの始まりだったのかもしれない。
当時考えた一番怖い妄想はゆっくり覗いた塀の向こうから自分と同じ動きで、目の前にそっと血まみれの顔が出てくる。これが私の怖い妄想で優勝だった。
今でも怖いと思う。塀の中を覗いたことはないが、繰り返し妄想していたせいか見た気さえするほどリアルだ。
どうなったら怖いか。
考えた一番怖い妄想お待ちしてます。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?