スピ・オカ的縄文論

今日はちょっと角度を変えて「スピ・オカ・インボーロン的縄文時代論」です。下の動画サイトもそれ系サイトですけど、科学的・学術的にけっこう正確なので他の動画もよく見てます。
この「縄文文明見直し」機運は国内のアホウヨがいっているような科学的根拠を欠いたあほあほ日本文明論ではなく、むしろジャック・アタリなど海外の知識人のあいだで近年盛んにいわれるようになっているものですので、その点誤解なきよう。
「縄文文明について近年(学術的に)何が言われているのか」は下記動画を見ていただければほぼわかります。

まず、遺伝子解析が進んだことで「日本人男性のY染色体の特異性」が解明され、また日本各地からの新しい様々な考古学的発見によって「縄文文明のまれにみる古さ」と「平和的に継続した時間の長さ」が明らかとなりました。これらが「近年の縄文時代論で主張されている内容」となります。
繰り返しますが、そこらへんはこの動画を見ていただければばっちりお勉強できます。

スピ・オカ話なのでついでにいうと、縄文文明より以前の文明として「氷河期の終わりとともに海中に没した与那国海底遺跡文明があったかもねー」というのもありますが、残念ながらこれにはまだそうだと断言できるだけの学術的な証拠が足りていません。

さて、動画中でいわれていた「縄文文明が長続きした理由」とは、「縄文人が徹底したシェア文化を生きて『所有』という概念を持たなかった←それゆえ争い(戦争)が起きなかったこと」なんだそうです。
ここらへんも『サピエンス全史』とかの「農業革命が『所有』と『支配階層』を生み出した」という指摘なんかと共通しているし、「およそ一万年前に始まった農業革命と穀物食が人類を不健康にした」という糖質制限派の主張とも重なり合っている部分でもあります。

また、縄文食は進化論的にみて人体のメカニズムに沿ったバランスのよいものだったので、おそらく農業革命以降の人々よりも縄文人のほうが健康だったと思われます。
これは糖質制限派がよくいう「699万年 vs. 1万年、つまり人類進化史上におけるたった1/700の時間では人体の進化は追いつかない」の根拠にもなっています。つまり、現代社会で人類に蔓延している「糖尿病」は「人体の進化が追いついていないこと」が原因で起きているので、「縄文時代の食事やライフスタイルに戻すことによってのみ健康体を取り戻すことができる」というわけです。

…と、まあこんなところが「縄文生活のススメ、スピ・オカ編」ということになります。スピ・オカといえども、とーっても学術的でしょ。

【追記】「縄文人の寿命について」

↑より引用↓

…2008年の研究では、1985年の方法と2002年の方法の両方で研究をしたところ、より客観的な2002年の方法では、死亡時年齢34歳以下が32.1%で、35歳以上64歳以下が35.4%、65歳以上が32.5%となり、15歳時点での平均余命が31.52歳という結果になりました。65歳以上という、現代でもまさに祖父母世代と言える年齢層が全体の3割以上になり、これ以前の研究で指摘されたよりもかなり長寿だった可能性が出てきたわけです。
加えて、少なくとも江戸時代の日本よりも縄文時代の生活ぶりに近いと思われるアフリカの現生狩猟採集民を見ても、65歳を過ぎてから死亡する人の割合は40%を超えていると指摘しています。

1967年の研究も、2008年の研究も、15歳以上と判定された人骨を対象に寿命の研究をしています。ですので、いわば「無事に大人になれた場合の寿命」を算出しているのであって、乳幼児を含んだ全体の寿命を算出しているわけではありません。乳幼児の死亡率や死亡時年齢が不明なので、厳密に寿命がどのくらいだったのかはわかりませんが、「無事に大人になれた場合の寿命」は、2008年の研究では1.5倍にまで伸びて46歳あまり、ということになります。考えてみると、「人間五十年」に近い数字だと言えるでしょう。

この「縄文人寿命30歳説」はどこから出てきたのでしょうか。一般概説書にもよく書かれてきた「縄文人寿命30歳説」は、1967年に発表された「出土人骨による日本縄文時代人の寿命の推定」に基づくものです。

つまり「縄文人の寿命は30歳」というのはかなり古い算出方法に基づいたものであり、「縄文時代の生活ぶりに近いと思われるアフリカの現生狩猟採集民を見ても、65歳を過ぎてから死亡する人の割合は40%を超えている」とあるとおり、縄文生活は最先端医療がなくてもそこそこ長寿です。

今は医療の発達と栄養状態の改善から80代90代まで生きる人がずいぶん増えましたが、それはそれで「この世の支配者層様」から見れば「削減対象」でしかないのでアレをほにゃらら…という話はまた別の機会に。


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