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アンリミテッドで読める数式なしの物理学関連本2冊

(まだ読みかけなので、たぶんあとで追加あり。)
数式なしの物理学の本は非常に東洋哲学的であると思った。

1.『世界は「ゆらぎ」でできている~宇宙、素粒子、人体の本質~ (光文社新書)』
吉田 たかよし (author)

2.『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』
松原 隆彦 (author)

1.『世界は「ゆらぎ」でできている』
物質は粒子と波動の性質を持つが、素粒子レベルの究極の単位では「線の揺らぎ」であるという話。
粒子は「点次元(=0次元)」であり、したがってそこでは何の「変化」も起こらないが、揺らぎ(=波動)は「線次元(=1次元)」だからこそ起きる事象である。
超ひも(=超絃)理論はそれを次元の次数を上げて説明したもので、われわれの認識している次元が泡の表面(ブレーンワールド)だとしたら、電磁気力と強い力と弱い力は「両端の開いたひも」で泡の表面にくっついているが、重力だけは「輪ゴムのように閉じたひも」なので泡の表面から離れて別の次元に存在することができる。

↑これを中国哲学的に解釈すると、粒子の「点」次元はそれ自体で完結していて動きのない「太極」。
なぜかそれがうにゃうにゃと揺らいで、波動として「線」次元の動きを見せると「陰陽二元」の世界となる。例えばプラスとマイナス。そこを行ったり来たりするのが「波動」で、これが素粒子レベルの世界。
ブレーンワールドはわれわれの認識している「面の世界(=3次元)」。
点次元には時間も長さも存在しないが、線次元が「揺らぐ」ためにはそれらが必要となる。それがプランク長さとプランク時間である。
それゆえこの宇宙の開闢には「点次元の揺らぎ」が関わっている。
つまり宇宙は「揺らぎ」で始まった。

またこれを仏教哲学的に解釈するならば、
この世界は陰と陽の間を絶え間なく行ったり来たりしているがゆえに変化して止まないのだし、確たる物質(=実体)などないのである、なんとなれば、すべては「波動という揺らぎ」なのだから…ということになる。

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(宮沢賢治『春と修羅』より)
「この現象界というものは、
夢、幻、泡のようなものにて、
影、霧、雷のようなものである。
このようなものと、考えるが良い。」
(『金剛般若経』より)

2.『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』
興味を惹かれたのは、金融や経済に精通した専門家を排除して、物理や数学、統計学などの研究者だけで創設、運営されているルネッサンス・テクノロジーズという投資会社について言及している箇所。
これは以前、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者たちも深く関わっていた投資会社LTCMがアジア通貨危機であえなくぶっ潰れたという事件があったことをたまたまわたしが覚えていて、まあルネッサンスはそれ以降のコンピュータテクノロジーが飛躍的に進歩した時代のAIを活用した「クオンツ」運用なので、今だったらLTCMみたいなみっともない敗北はしないかな、どうかな…と思ったので。今のところルネッサンスの運用は「非常にうまくいっている」らしい。

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こんな風に非常に興味深い2冊だが、まだ読みかけなので今のところこのへんで。

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