リバタリアンによるトラの招来

↑この続き。

ワタシ、この記事↑に乗せたツイの頃からずっと「警告」を発してきたんですが、ここに来てようやくインボーロン界隈でも「気がついた」人が増えてきたみたいで、喜ばしい限りです。

そんなサイトの一つで紹介されていたのがこの動画↓でした。

へえ〜、日経ビジネスの2018年11月の記事だったんですね↓。

ずいぶん前から「キューちゃんはバノンちゃんだ」という噂は囁かれていましたけど、やっぱりでしたね。

−−バノン氏はなぜ「文化戦争」を起こしたかったのでしょうか。

ワイリー氏:バノン氏には、歪んだ「世界のあるべき姿」についての思想があるのです。彼は「人種」について、また「強い男性が支配すべき」という独自の見方、そして「権威主義」について、すなわち「国が統治されるべき姿」についても、見解を持っています。
当時は「非主流派」だった彼の考えが主流となるには、このような思想を独創的にプレゼンし、社会に注入しなければなりません。彼には富豪の資金を有するという利点がありました。つまり、何百万ドルもの資金を投じてSCLの様な企業を発掘・買収し、キャンペーンを始めるために利用することができたのです。

冒頭に載せた私のnote記事でもピーター・ティールの名前を挙げて「米富裕層に巣食うリバタリアンという選民思想がプアホワイトと悪魔合体してトランプ的なものが招来された」という趣旨で書いてますが、上の引用にもあるように、バノンには「富豪の資金を有するという利点」があった、つまり「ティールクラスの富豪を陣営に動員することができた」のでした。

なぜそんな事ができたのかというと、ティールなどのアメリカのスーパーリッチが共有している、ある歪んだ「世界のあるべき姿」についての思想、つまり「リバタリアニズム(エリート選民思想)」があったからじゃね…というのが私の導き出した結論でした。

それについてワイリー氏は上記インタビューで、バノンには

「人種」「強い男性が支配すべき」「権威主義」すなわち「国が統治されるべき姿」

について独自の見解があり、「人々を欺き、操り、抑圧・支配」するためにその「独自見解」を広めようとしたのだ(潤沢な資金を元に)、と語っています。

−−あなたが会社にいた2年間、どの時点で「何かがおかしい」と感じ、なぜその様に感じる様になったのですか?

ワイリー氏:バノン氏が入ってきて、研究の目的が変えられ始めた時です。社の指示や、優先事項が変化し始めました。研究は米国で始まり、研究チームが米国で何をし始めたのかを目の当たりにした時、その目的に疑問を抱きました。
すなわち、なぜ米国民に「人種差別思考」を、しかも攻撃的に浸透する必然性があるのか、などということです。過激思想や人種差別思想から脱却させるのではなく、逆の方向、つまり、人々を過激化し、差別的に思考を誘導することです。

↑こんなふうに、バノン、ティール、トランプらが提示した思想に対して「何かおかしい」と感じることは、その人に暴力的な過激思想や差別思想がなければそんなに難しいことではないはずなんですが、彼らの思想には「男性優位」というのも含まれているため、その既得権益側であり、進化論的にみた「同性間闘争と序列」に生きる男性にはなかなか自覚されにくかったのでした。

洗脳に使われた手法はゲームやパチンコにはまるのと同じメカニズムで、「夢中になって追いかけたくなる」「たまに勝つと脳内で快感物質が放出される」「負けると取り戻したくなる」といった人間心理を利用したものでした。

そうやって潤沢な資金のもと、トランプは見事当選を果たしました。

私が辞めた理由の一つは、米予備選が始まった頃、社が人々をいかに「人種差別化」するか、という研究を行う事のみならず、「受動的に学ぶ」段階から、人々を騙し、欺き、操作する目的のコミュニケーションを通じ、文明社会に適合しない考え方をまき散らすという「攻勢」に転じたからです。
−−2016年米大統領選の結果を見て、どう感じましたか。

ワイリー氏:とても非現実的な光景でした。両者の関わりが公になる以前から、CA社はトランプ陣営と共に動いていたのです。当時、人々が「奇妙な語り口だ」としていた「壁を作れ!」や「(米政府の)どぶさらいをする!」また「闇の国家が人々から全てを取り上げており、みんなを監視している」などというスローガンは全て、CA社が初期の頃行なっていた研究から生まれたもので、鮮明に記憶しています。

こうした報告はバノン氏に上げられ、彼からトランプ氏に渡されました。米国のニュースを見るのは、私には奇妙なことでした。なぜなら、世間はトランプ氏が言うことを笑ったり、「気が触れている」と評していました。こんな埒もないことを言って、勝つ道理がないと思われてもいました。

私はそれを見ながら「いや、そうではない。もし、適切に標的とされれば、どれだけの人たちがトランプ支持に傾くかを、わかっていない」と思いました。(メディアなどが)トランプ氏や聴衆を馬鹿にすればするほど、(トランプ氏の発言を)好ましいと感じ、聴衆は(メディアから)自分も馬鹿にされていると感じ、トランプ攻撃が起こる度、彼の基盤がどんどん固まって行きました。攻撃は、トランプ氏を助けたのです。

これは贔屓のスポーツチームの試合を応援するファン心理に近いものなのかもしれません。
ですがスポーツの試合と違って、これによって世界中の人々が多大なる迷惑を被ったのだということは肝に銘じておいてほしいと思います。
世界大戦の時もそうでしたけど。

問題はトランプ氏が勝利する前に、人々があの会社が何をしていたか、真剣に捉えていなかったことにあります。なぜなら、トランプ氏が勝利するなど、誰も想像だにしていなかったからです。ブラック・スワン(注:マーケティング用語・事前に予測不可能な事態が起きてしまい、衝撃が大きい事象のこと)とも呼べるかもしれませんが、前例のないことが起きてしまいました。

人々に警鐘を鳴らそうとしても、無駄でした。「それは奇妙なことだけど、どうと言うことはない。どうせ、彼は勝たない」という反応ばかりで、苛立ちを感じました。彼が勝っただけでなく、実際大統領になったことには「非現実的」という言葉しか思い浮かびませんでした。

多くの人も同様に感じたでしょうが、私にとっては特にそうでした。自分の働いていた会社の研究報告書に出ていた言葉を(トランプ氏が)発していたのですから。この研究こそがトランプ氏を、彼の信条を象徴する「ドナルド・トランプ」に仕立て上げたのです。

「ドナルド・トランプ」は粘土のごとく、バノン氏によって、理想の候補に形作られました。そしてそのことの多くは、CA社が収集した研究とデータを基に、可能になりました。見るのが辛いことでした。作られたものの一部は自分の責任であるのに、何もできないと感じました。

「ドナルド・トランプ」は粘土のごとく、バノン氏によって、理想の候補に形作られました。


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