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吉野旅でイラストレーターsaïcaさんに出会った

11月初旬に妹と一泊で吉野に行ってきた。
泊ったのはいわゆるゲストハウスで、なんとそこの管理人さんは若い女性でありながら修験道の行者さんだった。

この吉野旅をめぐるいくつかの物語はあらためて書くつもりでいるけれども、そこで真っ先に紹介しておきたいのが同じゲストハウスに泊まっていたイラストレーターのsaïcaさんについてである。

ちなみにsaïcaさんのiの字の上に点が二つあるのは、彼女がフランスからの帰国子女であることに由来している。
なんかしばらく海外を放浪してきたらしい。
んで、今は丹波あたりのシェアハウスに住んでいるらしい。
私と同じところでヴィパッサナー瞑想の10日間コースなんかも体験したらしい。
吉野に来たのは神社学っていうのの関係でゲストハウスの管理人兼行者さんと知り合いだかららしい…
と、いうわけで、私と同じアヤシイ匂いがぷんぷんするが(笑)、もちろんそんなことはない。
本のイラストレーターとして『あまのいわと (にほんのしんわえほん)』というのと『JINJA TRAVEL BOOK』とで、しっかりお仕事されている。
この2冊をゲストハウスにも持ってきておられて私も見せていただいたときに、『JINJA TRAVEL BOOK』の中の眷属神たちのイラスト(冒頭の写真)を見てちょっと驚いたのだった。
というのも、私が伊勢神宮や熊野本宮で幻視(みたいなのを)したのとよく似た明るいパステルカラーの色調で眷属神たちが描かれていたからである。

ところでその時の宿でもそうだったのだが、基本的に「ワタシ、ちょっと見えるかも」というような話は人にはしない。
良くて思いっきり引かれるか、最悪完全否定されるのがオチだからである。
まあ自分でだって「単なる思い込みかも」と思わなくもないので。

そのようなわけで、
「じつは一昨年伊勢神宮の内宮に参拝した時に、垣根の向こう側には木造の建物がいくつかあって、その周りをみずらに髪を結ってオフホワイトの貫頭衣を着た弥生時代風の老若男女が(犬もいたかも)たくさん歩いたり仕事してたりしてて、その全体を明るいとてもきれいな水色の空気感が取り巻いている、重ね合わせの別世界の村が視えた(気がした)」「その村の人たちは別世界にいるので、大勢の参拝客が毎日ワサワサと押し寄せてきてもぜんぜん影響されてない感じで、しかもわりとウェルカムな感じ」とか、
「熊野本宮では超絶雨女の私がなぜか毎回快晴に恵まれて、しかも毎回人払いがおきて、こっちはとてもきれいなブルーの強い神気に包まれているんだけど人の気配は感じられない」とか、
「昔妹の運転で母と私の3人で丹波篠山に行く途中、ちょうど二村神社の石燈籠のあたりで狸の親子に化かされたんだけど、あのお狸様は眷属だったのか、それとも本当に狸には人を化かす力があるのか…」
とかいった話はしなかった。

しなかったけれど、冒頭の写真のようなパステルカラーに描かれた眷属神たちのイラストを見て、「そうそうこれ!! こんな感じの色調なのよ!!」と思って、いっぺんでsaïcaさんのイラストのファンになってしまったのである。
そう、ちょうど奄美大島で見た田中一村さんの絵みたいに。

【古神道と世界の古層】

そんなわけで旅から戻ってさっそくその『JINJA TRAVEL BOOK』↑を入手。
宿でたびたび話題に出ていた「ジンジャガクのナカムラさん」はこの本の著者で、同封のDVDにも登場されていた。

最近の私は「仏教とキリスト教に関してはもうだいたいわかったから、次はそれよりもっと古い信仰の世界について知りたい」と思うようになってきていて、
たとえば仏教においても各地に伝播する過程でその地の古い信仰がそのまま取り込まれたりしている(ミャンマーのポッパ山におけるナッ信仰やチベットにおけるボン教、日本の仏教と結びついた山岳信仰など)し、そういった古い信仰形態と沖縄やアボリジニやネイティブアメリカンの精霊信仰との間にみられる共通性にも今たいへん興味がある。

仏教の場合は神々や精霊たちを「超えた」哲学なのでたぶん「願い事」をしても叶うことはないけれども、たとえばミャンマーのナッみたいな精霊やご先祖様は願い事を聞いてくれたりするかもね…
と、いうようなことを考えていたりする。

そういうことなので、この『JINJA TRAVEL BOOK』もたいへん興味深く読みました。

まあここらへんの話もいずれもうちょっと詳しくまとめたいと思っています。
本日はここらへんで。


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