食う寝るところに住むところ

少し前にこんな記事を書いて、現在私は「アウトドア用簡易折り畳みベッド」で寝ていると紹介した。
「寝具にアウトドアグッズを使うとたいへん具合がよろしい」というのは以前からミニマリズム界隈ではよく言われていたことで、冒頭の動画の中でかぜのたみ氏もおっしゃっているように、とにかく寝具というやつは家の中での場所塞ぎ、および上げ下げやシーツの洗濯など厄介な課題が満載の「家の中でシンプルじゃないモノ」の筆頭株であって、それゆえ禅においても柏布団といういわば「元祖寝袋」が使われてきたのだ。
そもそもこれは開祖釈迦以来の仏教の教えで、「修行者はフカフカで豪華な布団やベッドで寝てはいけない」というのは東南アジア諸国の上座部仏教でも今もきっちりと守られていることである。

んで、そこらへんをふかーくふかーく考えぬいたうえで、私は車中泊とか実家に滞在時とか旅先とかのおりにキャンプ用マットや寝袋やトラベルシーツを使っているのだが、むろん私以外の人々は世間にごく少数存在するミニマリストや禅宗のお坊さんを除いて大多数の人々がぜーんぜんそんなことを考えていないので、誰もそこんとこをわかってくれない。
そしてけっこうそういう「その他大勢」からの風当たりがきつい(笑)。

だが、「なーんも考えずに大変な布団の上げ下ろしやシーツの洗濯を日々行い、あるいは嫁にさせ、しかも実家に帰省したおりなど大量に発生したそれらの重労働を高齢のおばあちゃんにさせている」など、私にすれば「考えのないアホども」でしかないので、ちっとぐらいはそれを自ら実践している私を見習って「キャンプ用マットと寝袋は持参のうえで帰省する」ようにしたらどうよ、と思っているのだ。

そこには男も女も年寄りも子供もない。「食う寝る暮らす」は、「各自がまず自分一人ぶんをきちんとできる」というところから始まる。
それゆえの「マイ箸」「マイ食器」「マットと寝袋」の持参であり、イマドキはそのための優れたグッズがホームセンターやアウトドア用品店で潤沢に販売されているので、昔の禅僧みたいに煎餅布団を縦ふたつ折りにして紐で縛って寝る必要もないのだ。

ちなみに私は最近では「マイバッグ持参」はもちろんのこと、「マイストロー」というのも始めた。なによりもまず「自分一人ぶんをきちんとする」ことがエコの始まりであり、その哲学でもある。

よって、これから誰かよそ様の家で一宿一飯の恩義をを受ける際には、マットと寝袋とマイ食器は必ず持参するように、ひとこと申し添えておく。

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