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ニューロンと自我と末那識

脳と宇宙構造が似ているのはそれがフラクタルだからという研究結果など

まずは、「脳と宇宙構造が似ていることが定量分析で確認された」というNewsweekの記事から↓。

次に、似ている理由は「物理法則(この場合はフラクタル)がどこでも同じように適用されるから」というお話↓。

↑より引用)
フラクタルではそれ自身のパターンを様々なスケールで繰り返します。多くの物理学がフラクタルのような過程に依存しているので、自然界にはフラクタルに従うものが多く存在します。海に流れ込む川のパターンや、雪の結晶などがその例です。

この「パターンを様々なスケールで繰り返す」ことによって細胞分裂した結果できあがったのが数十兆個の細胞の集合である人体です↓。

脳神経系を構成する神経細胞というのはこんな感じです↓。

神経細胞(しんけいさいぼう、ニューロン、neuron)は、神経系を構成する細胞で、その機能は情報処理と情報伝達に特化しており、動物に特有である。

「その神経細胞のカタマリである脳構造と宇宙構造がとても良く似ているのはそれがフラクタルという物理法則(数学の一分野)によるものだから」というのが上の記事でしたね。
そして物理法則に基づくフラクタルというパターン化現象は脳や宇宙構造だけでなく川や雪の結晶、都市の作り、雲や樹木にもみられるものだというのは以前にも説明しました。
つまり「その機能が情報処理と情報伝達に特化しており、動物に特有であるはずの脳神経系がなぜか宇宙構造とそっくりなのは、それがフラクタルという物理現象だから」だよ、ということになります。

ここのところ何回か「阿頼耶識=生命現象=フラクタル」という式をとりあげてきましたが、それがあながち間違いでもないことはご理解いただけたでしょうか。

末那識と自我

次に、「情報の伝達と処理に特化した細胞であるところのニューロンのカタマリ」が人体における脳神経系で、それが人間の感覚、意識、心、そして自我と呼ばれる現象を作り出しているのですが、ここから唯識における第八識阿頼耶識の一つ上にある第七識末那識に話が移ります。

wiki『唯識』より図をお借りしました↓。

唯識

ついでに引用もしちゃいます。

(阿頼耶識について)
この識が前五識・意識・末那識を生み出し、さらに身体を生み出し、他の識と相互作用して我々が「世界」であると思っているものも生み出していると考えられている。
(末那識について)
(前五識と意識の)下に末那識(まなしき)と呼ばれる潜在意識が想定されており、寝てもさめても自分に執着し続ける心であるといわれる。熟睡中は意識の作用は停止するが、その間も末那識は活動し、自己に執着するという。

wiki『末那識』項目での説明はもうちょっと専門的でわかりにくいものになっています↓。

八識はみな思量の作用があるが、末那識は特に恒(間断なく常に作用する)と審(明瞭に思惟する)との二義を兼ね有して他の七識に勝っているから末那(意)という。思量とは「恒審思量」といわれ、恒に睡眠中でも深層において働き続け、審(つまび)らかに根源的な心である阿頼耶識を対象として、それを自分であると考えて執着し続ける。この深層的な自我心を滅することによって、我々は初めて真の無我行を実践することができる。

専門的でわかりにくくはあるものの、適切な説明ではあります。
つまり、「過去からの記憶をすべて保持している阿頼耶識に常に対象にしながら、自分が自分であるという深層的な自我心を作り出している」のが末那識だということです。

そして「この深層的な自我心を滅することによって、我々は初めて真の無我行を実践することができる」というのはつまり、「末那識の正体を見抜くことができれば自我が幻想にすぎないこと=無我であることを理解できるようになる」と言っているわけです。

今回の覚え書きはここまでで、次回からは進化心理学と絡めながらより詳しく末那識と自我の話題に入ります。

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