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ホモ・デウスへの道・『やくたたずへの道編』

今からおよそ2500年前にブッダが説いたことは、この世で「やくたたず」になる方法についてでした。
ついでにいうと同じような頃に中国で「やくたたず」になる方法を説いたのが老子と荘子で、2500年後の今、イスラエルの歴史学教授であるユヴァル・ノア・ハラリが説いているのが、神に進化する少数の人類とその対極にある大量の「やくたたず(ユースレス)階級」の出現についてです。

先進的なブッダや老荘は「やくたたず」であることに高い価値を見出していましたが、それから2500年たった今でも大多数の人々は「やくたたず」になることを最も恐れたままで生きています。「ユースレス階級大量発生の時代」を目前にしてもなお。

これまでずっと生粋の「やくたたず」として生きてきた私ですが、ブッダや老荘の教えを学ぶことで「無用の用」の重要性に気づくことができました。
それによって「やくたたず」に向けられる世間からの強い風当たりをうまくかわせるようになったりするので、これから大量発生するといわれているユースレス階級の皆さんにもぜひこの「やくたたずへの道」を学んでいただきたい。ちなみに「無用の用」とは「真っ赤なお鼻のトナカイさんは〜♪」という歌に出てくるトナカイさんのことです。

進化の前段階の「超人」クラスは「やくたたず」を排除しようとする精神構造を持ちますが、「ホモ・デウス(神人)」になると「やくたたず」を排除しなくなりますので、できればとっととそちらに進化・移行してもらいたいものだと切に願っています。

↑より引用)
蝉と若鳩とが笑って言った,「おい,おれが力いっぱい飛んでも,木から木へ飛び移るのがやっとなんだぜ。時には,途中で地面に落っこちちゃうのにさ。奴ときたらさあ,南へ出かけるのに,九万里も飛び上がるなんざあ,いったいどういうことなんだよ,ばかばかしいったら!」

田舎の方へ出かけ,三度の食事をして帰ってきても,その者は出かけたときと同じように腹を空かせないでいるだろう。しかし百里を旅する者は,一夜を過ごすためにじゅうぶんな米を用意しなければならない。さらに千里を旅する者は,三月もの間かかって,食料を調達しなければならない。
鵬を笑った小さな生き物たちは,何を知っているというのだろう。

小さな知識は大きな知識の範囲を収められない。それは一二年の短年月が,長い年月にはとても及ばないようなものだ。

「やくたたず」と笑うオマエに「ほんとうに大きなもの」の何がわかるっていうんだい(クスッ)……と荘周さんも申しております。

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