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「UNIVERSE 25」、ドブネズミと人類②

↓この記事の続きです。余談ですが、ドブネズミといえばバンクシーなので↑の二つの記事を貼ってみました。

↑より、長くなるけど引用↓。

もしマウスに食料や水を充分に補給し、病気を予防して天敵のいない環境に住まわせたら、どのように個体数が増え、どのような行動パターンによって社会を作り上げてゆくのか?

「Universe 25」は、まさにそのような環境を整え、大規模な、そして人工的な「世界」を造り上げ、そこにマウスを放つという実験であった。
ケージ内は彼らが住みやすいようにさまざまな工夫が施され、巣材は無限に供給された。最初8匹だったケージ内の「マウス人口」はねずみ算式に順調に増え続け、約7ヶ月後、親マウスは150匹子どもは470匹ほどに増加していた。

ところが、それ以降増え方はゆっくりとなりはじめ、マウスの行動パターンに予想外の不自然な変化が見られるようになる。

「Universe 25」のケージ内は、15匹のマウスを楽に収容できる巣作りスペースが256個用意されていた。ふつうに考えると、巣作りスペースそれぞれに平均して分布しそうなものだが、そうはならず、過疎地では13匹、最過密地域では約8倍の111匹の個体が窮屈に暮らしていた。

マウスはふつう一匹ずつ単独で活動するのだが、過密地域ではどういうわけか、同じ時刻に、皆いっせいにえさ場に行くようになった。1匹で食べているマウスの様子はどこか不安げで、やがて大勢で混み合っているえさ場に向かうようになる。

マウスは本来「テリトリー(なわばり)」をもっており、縄張り行動によって他の個体とのコミュニケーションをはかり、「規律」ある生活をするのだが、増加率が低下する頃から次第にテリトリーをもたないマウスがでてきた。

彼らのオスは、本来なら敬遠される床の中心部に非活動の「引きこもり」になって暮らすようになった。引きこもりマウスは積極的に他の個体と関わるのを避け、また他のマウスからも相手にされなくなったが、ときには他の仲間に対して悪質な攻撃を仕掛けることもあった。

また、テリトリーをもたないメスも、ふつう避けるはずの高いエリアに「引きこもり」状態となり、子どもをつくることもなく、ただただヒッキーとして暮らすようになった。

「引きこもり」以外のマウスはどうなっただろうか。
マウス社会では、通常テリトリーを守るのはオスの役割であり、子どもを守り育てるのはメスの役割である。ところが、この段階になるとメスがオスの役割を引き継ぐようになった。メスもテリトリーを守る社会的行動に出て、他の個体を攻撃するようになり、次第にその攻撃性が子どもにまで向かうようになってしまったのである。

子どもは母親から攻撃され、傷つき、本来の巣離れよりも早く巣を出ることを余儀なくされる。追い出された子どもは、多くの場合結局「引きこもり」マウスになってしまうのだった。

本来、メスは危険を察知すると子どもを守るための行動をとり、安全な場所へ子どもを運ぶものである。しかし、この社会発達段階の母マウスは、なぜか運んでいる途中で子どもを落としてしまったり、または子どもを無視して自分だけが移動したりするようになった。見捨てられた幼いマウスのほとんどはそのまま放棄され、最後には他のマウスに食べられてしまうのだった。

以上のような生育の異常だけではなく、妊娠率も下がり、また流産率が上がるなど、マウス全体の出生率が急激に低下していったのである。

「テリトリー」をもたないオスの行動は、ますます異常になっていった。マウス社会での求愛行動は決まっており、自然界のマウスはそのルールに従って行動する。オスのマウスは気に入ったメスがいると後を付いてゆき、メスが自分の巣に入ると、その入り口付近で求愛行動をとりながらメスが出てくるのを待つ。

ところが求愛ルールを無視したオスが増え始め、メスが巣に入るとその後を付いて一緒に入ってしまうというストーカーマウスが登場する。また、成熟していないメスに交尾行動をとったり、オスに交尾行動をとる異常なマウスも出現し始める。


そして560日が経ったとき、突然のようにマウス人口増加が止まる。乳児の死亡率は急増し、社会の高齢化が急速に進むなか、とうとう600日目に出生の数を死亡数が上回る。920日目に最後の妊娠が確認されたが生まれることはなかった。そして、その後も生き延びた高齢化したマウス122匹(メス100、オス22)は、1780日目に最後のオスが死亡し、あとは滅亡を待つばかりとなる。

「Universe 25」のあまりにもはやい終焉であった。

実験についてはこの動画がよくまとまってます。

記事ではワシントンポストのこれ↓。

https://www.washingtonpost.com/news/retropolis/wp/2017/06/19/the-researcher-who-loved-rats-and-fueled-our-doomsday-fears/

ワシントンポストに関する記述をwikiから引用しておきます↓。

ワシントン・ポスト(英語: The Washington Post)は、1877年創刊のアメリカ合衆国ワシントンD.C.の日刊紙である。米国内での発行部数は25万部で、USAトゥデイ(162万部 本紙のみ全国紙)、ウォール・ストリート・ジャーナル(101万部)、ニューヨーク・タイムズ(48万部)、ニューヨーク・ポスト(42万部)、ロサンゼルス・タイムズ(41万部)に次いで第6位[1]。首都ワシントン最大の新聞であり特に国家政治に重点を置いている。

2013年に、オーナーのドナルド・グラハムの15年来の友人であるAmazon.comの創業者ジェフ・ベゾスに買収された[2]。冷戦中には、特に容共リベラルな編集方針や記事がアメリカの政権から敵視され、保守派からは「Pravda on the Potomac (ポトマック河畔のプラウダ(ソ連共産党の機関誌)」と称された[3][4][5]。2017年に"Democracy Dies in Darkness"(民主主義は暗闇で死ぬ)を新スローガンに採用した[6]。

↑なんせ今は記事の出元の党派性やら信頼性やらまで問われる時代なので。

【ミグタウ、インセル、ビューティフルマウス】

さて、ここからが本題です。
このようにUNIVERSE25実験が「科学的に極めてまっとうなもの」であることを示したうえで、次にインボーロン系動画を貼っておきますのでご査収ください↓。

ところで私のこの記事は、だいぶ前に下書きとして保存していたものですが、そうやって私が記事を温めている間ににそれと同様の指摘をしている動画がアップされていました。
やはりそこに気がついている人が他にもいたのだと、まさに「わが意を得たり」感でいっぱいです。

ここから本題です。
「UNIVERSE 25」では、何度実験を繰り返しても

・個体数がある程度増えるとそこに1/3の勝ち組が発生し↓
残りの2/3のうちのオスに性的(社会的)異常(逸脱)行動(人間でいうストーカー行為や同性愛、非婚化など)が見られるようになり↓
・メスがそれを忌避するようになって暴力的な自衛行動や高い位置への逃避をはじめ↓
・メスは出産子育て行動ができなくなり↓
・その結果個体数が減り続け、コロニーの絶滅に至る。

という結果になったわけですが、ここで注目していただきたいのは「残りの2/3のうちのオスにみられるようになった性的(社会的)な異常(逸脱)行動」という箇所です。

ネズミに見られた異常行動はメスに対するストーカー行為や同性愛、非婚化などでしたが、このうちの「非婚化」については実験において「ビューティフル・マウス」と表現されています。

ビューティフル・マウスとは「メスをめぐるオスの争いを忌避し社会的関りを断った結果、美しい毛並みを保つことができたマウス」のことで、私はこれを聞いて「あ、それって仏教の開祖お釈迦さまのことじゃん!!」と思ったのでした。

お釈迦様は今からおよそ2500年前、インドが都市化して王族同士の戦いが頻発していた時代に「結婚もするな(オンナと距離を置け)、生産をするな、ひとりで瞑想でもしとけ」と説いて回って支持者や信者を増やしていったわけで、まさに「ビューティフル・ブッダ」でした。
これを上の動画では「ミグタウ(MGTOW)↓」と関連付けて考察しています。

引用)
メン・ゴーイング・ゼアー・オウン・ウェー(英: Men Going Their Own Way)の略語であり、直訳すると「自分の道を行く男達」となる。

コラムニストのMartin Daubneyによると、MGTOWのメンバーは、結婚や恋愛について、コスト的にもリスク管理的にも不都合であると考えている[2] 。 Jeremy Nicholsonは「Psychology Today」においてMGTOWのことを、女性と付き合うことを止め、自分を高めることを追求する人たちだとしている[3]。

2500年前のインドもそうでしたが、社会が豊かになり人口が増えるとどうしてもビューティフルマウス的な「メスとの関わりやオス同士の戦いを回避するブッダ的ミグタウ」が登場してくるみたいで、これと性的逸脱行動、つまりオスの同性愛(オスがオスを追いかける行動)やストーカー行為やインセルといった「あぶれたオスによる(通常の社会では見られない)異常な性行動を取るオス」の増加がセットで「出生率の低下」を招きます。

つまり、「メスがこのようなオスの異常行動に嫌気をさして『自衛』を始めるようになった結果『出生率が低下』し、メスに関わらない『ミグタウ(ビューティフル・マウス)』がさらに出生率の低下に寄与して、最終的には勝ち組1/3も巻き込んで『コロニーそのものの絶滅』に至る」というのが「何度繰り返しても到達する実験の最終結末」だったのでした。

上の文中にはミグタウ以外にインセルというワードが出てきましたが、これもwikiから引用することにします↓。

引用)
インセル(英語: incel)は、"involuntary celibate"(「不本意の禁欲主義者」[1]、「非自発的独身者」[2])の2語を組合せた混成語である[1]。望んでいるにもかかわらず、恋愛やセックスのパートナーを持つことができず、自身に性的な経験がない原因は対象である相手の側にあると考えるインターネット上のサブカル系コミュニティのメンバーを指す[3][4]。また、そのような状況下にあることを彼らの間では「インセルダム(inceldom)」とも言う[5]。

インセルは、セックスや性的魅力をめぐる競争は生まれたときから公正ではなく、それを認識しているのは自分たちだけだという、「レッドピル(赤い錠剤)」または「ブラックピル(黒い錠剤[15])」と呼ばれる理論を崇拝している[16][17]。 多くのインセルは、自分たちが遺伝子のくじ引きの負け組で、為す術がないと考えている[16]。また自分たちをポリティカル・コレクトネスによって不当な中傷を受けている少数派だと考えている[16]。

インセルは、Redditや4chanなどのウェブサイトで、フェミニストへの攻撃、女性差別、人種差別、同性愛差別などの投稿をおこなっている[19]。極端な場合、彼らの間では、パートナーがいる女性を暴力や強姦で「罰する」ことが奨励されている[3]。インセルのために作られたウェブサイトに対して、「暴力的なコンテンツの温床となっている」といった批判が寄せられている[2]。

これだけ見ても察しのいい方ならピンとくると思いますが、インセルのこのような行動ってまさに「2/3の負け組ドブネズミのオスが示した性的逸脱行動」そのものであり、ヒトもドブネズミも「社会的行動内容」には大した違いがない以上、このままいけば「人類のUNIVERSE 25実験もコロニーの絶滅で終わる」可能性は極めて高いのではないか、という予測が成り立ちます。

ここで「いや、人類はドブネズミじゃない、もっと賢い!!」とかいう人が結構いそうですが、じっさいヒトの祖先は「2億年ほど続いた恐竜の時代、人類(哺乳類)の祖先は細々と生存し、恐竜絶滅後に一気に進化して多様化」した↓わけで、その共通の祖先が「ドブネズミみたいなげっ歯類」だった以上、ヒトもドブネズミも(社会的な)行動にそんなに大きな違いはありません。

引用)
…「げっ歯類や霊長類は鳥類を除く恐竜たちと共存していたわけではなく、恐竜が絶滅してから間もなく、せわしなく動き回って虫を食べていた小さな動物から枝分かれした」と説明している。

新説によると、恐竜が絶滅してから20万~40万年後、小さな胎盤哺乳類がさまざまな種に枝分かれを始め、驚異的な多様性を持つに至った。こうした進化の末に、現在の地球上には5100種以上の胎盤哺乳類が暮らしているのだという。

したがってここから、「ドブネズミ社会に起きたことが人類社会にも起きうる可能性はけっこう高い」と予測されうることになります。
たとえ何回実験が繰り返されても。

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