幼稚園児と鬼滅映画を観るか否か

「鬼滅の刃」の映画が観たい! と6歳(幼稚園年長)の息子が言った。
正直うわ~やっぱり来たかと思った。
しかし、結論として我が家は「観せない」ことにした。

もちろん幼稚園の友だちは観ているし、家庭によって判断は違う。
なので「こんな小さい子どもに見せるなんて!」と批判する目的でこの記事を書いているのではなく、単純に自分自身いろんなひとのツイートやブログを読んで判断基準を増やしたかったからだ。

ちなみに私は忘れもしない、今年の正月。
帰省した義実家で夜な夜な「鬼滅」のTVアニメを鑑賞。その興奮のまま十〇年ぶりに満喫へ駆け込んだ宇髄天元の4人目の妻候補。そう、オタクだ。

ここから先は「鬼滅の刃」本編ないし、映画のネタバレが入ります。

ある一定の時期から、息子が幼稚園から「鬼滅」の塗り絵を持ち帰るようになり、TVアニメを観たがるのも時間の問題だろうなと思っていた。

これはやはり私の個人的見解なのだが、第1話で主人公の家族が惨殺されるアニメは幼稚園児には刺激が強いだろうと思い、視聴はNGにした。
(主人公炭治郎の人間性は素晴らしいし、柱はカッコいい、何よりストーリーが面白いので多くの小学生が夢中になるのはもちろん分かる)

アニメ未履修なのに息子は「紅蓮華」を歌いたがり、さすがにそれくらいは…と思って歌詞を全部紙に平仮名で書いてあげた。小さい子どもの成長はすさまじいもので、たどたどしかった音読が気づけば一丁前な歌声に進化していて驚かされた。

で、本題の映画だ。息子がいちばん仲のいいお友達が「鬼滅」大好きキッズで映画も初日に観に行ったらしい。となると、息子も黙ってはいない。twitter界隈では内容を知らずに劇場に行った親子連れのクレームやマナーの悪さが炎上しているが、正直大人だってマナーが悪い人はいる。マナー自体は先日、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」をしっかり最後まで集中して観ていたのでクリアしていたが、問題はやはり内容だ。

今回「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」はPG12の指定。12歳未満は保護者の助言、指導が必要というくくりだ。グロテスクなシーンや、血が出るシーン、残酷な描写は親が説明を~ということだが、やはりこれは小学生には当てはまっても幼稚園児には厳しかろうと思った。

息子は観たがっている、お友達も観ている。母がオタクなばかりに過敏にシールドを張っているのではないか? とグルグル悩んだすえ、一度自分で観てから決めることにした。ここまで長々と前置きをしてしまったが、以下は一家庭のケースということで、私がこれは無理やなと思った点を羅列する。

1 前半から中盤はやっぱりグロテスクで怖い

今回の敵である魘夢。親的には平川大輔さんの声がピッタリで素晴らしいのだが、映画は画質もよく音も臨場感たっぷりなので、どうしても怖い。序盤に出てくるモブ的な鬼のビジュアルもすごく怖い。平成ナイズされた「ゲゲゲの鬼太郎」ですら怖がる息子は、「はい、アウト!」だ。

2 映画にも炭治郎の家族のくだりが出てくる

冒頭にも触れた通り、「鬼滅」の物語のきっかけでもある炭治郎の家族が惨殺されたことを想起させるシーンが出てくる。それに加えて、炭治郎が魘夢の血鬼術から逃れるため、自分の首を斬って自刃して夢から覚める描写がポイントとなる。この首を斬るという描写も私としてはまだ早いと判断。普段生活するなかで「あ~、そっか、首を斬って死ねばいいんだ、そっか」ということをカジュアルに言い出しかねないからだ。

3 「鬼滅の刃」は勧善懲悪のお話ではない

戦隊ヒーローに親しんでいる息子にとって、炭治郎=正義の味方=無敵だ。なので恐らく映画は炭治郎たちが鬼に勝ってハッピーエンド! という結末を予想していると思う。けど、実際は違う。原作を知っている大人は、むしろここからが対無惨戦に備えて炭治郎が成長していく転機となることを知っているが、所見で浴びるにはヘビーな結末に思う。(勧善懲悪という話題でいえば、敵である鬼にも人間だったころの悲しいエピソードがあり、それを炭治郎が救済するという内容が「鬼滅の刃」の大きな魅力なのだがそれは一旦置いておく)

ここまでくどくどと書いてしまったが、ここからはむしろ子どもたちに観てほしい映画の素晴らしい点についても語りたい。とにかく煉獄さん煉獄さん……煉獄。「強く生まれた者は弱いひとを守らなくてはいけない。人より多くの才に恵まれた人間はその力を人を傷つけるために使ってはいけない」(ニュアンスです)というセリフは正直息子に浴びてほしかった。母目線で観れば、煉獄さんとお母さんのシーンは胸にぐっときた。あと個人的に猗窩座が石田彰さんというキャスティングがたまらなかった。久しぶりに敵役でフラットな音域のあーさまの声を劇場サイズで聴けて感動……。某所のインタビューでご本人が「今までは敵でもあまり力を張らずに対峙する役が多かったが、今回は久しぶりに全力で戦う敵だった」という内容を語っていらして首がもげるほど同意し、その尊さにひれ伏した。

結局何が言いたかったのか…なんだ、ただのオタクか。
という話になるが、後半の煉獄さんの戦いぶりはぜひ子どもにも見せたい内容だったけれど、やっぱり前半~中盤はきついよ! という1つの見解を述べさせてほしい。まだ子どもが小さいけど、映画に連れていくか迷っている保護者の方の参考になったらうれしいです。


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