共生プロジェクト紹介

◇◆はじめに・ご挨拶◆◇
はじめまして。『共生プロジェクト~若者による伝統の継承~』でリーダーを務めさせて頂いています、慶應義塾大学の山﨑春奈と申します。
このプロジェクトは「古き良き日本の文化や伝統を私たち若者が継承していかなければ。」そんな強い使命感や熱い想いを持った大学生が立ち上げたものです。私たちは、廃れつつある伝統的工芸品業界の課題を解決すべく、若者の強みである発信力を生かして、品物だけでなくそこに込められた職人の想いを世の中に届けていきます。
さらに新型コロナウィルスの感染拡大により、伝統工芸品の売り上げ低下に歯止めがかからないのが現状です。しかし、様々なことが変わりゆく今、変わらずに未来へ残していくべきものの一つがこの伝統工芸品だと思います。こんな世の中だからこそ、私たち東京の若者がこのプロジェクトを成功させ、伝統を未来へ継承していきます!




◇◆プロジェクトを立ち上げた背景◆◇


コロナ渦で私たちにできることとは
私たちの所属する「NPO法人勇気&まごころ&汗の会」は、東日本大震災復興イベント「ふぇすてばる絆&絆&絆」を過去6年間にわたって福島県で開催してきました。大学生の手で東京と福島の心をつなぎ、若者らしい元気さ・明るさ・笑顔を現地に届ける。そんな『心の支援』を掲げるこのイベントには毎年6000人を越える方々にお越し頂いていました。しかし、新型コロナウィルスの蔓延により、今年の3月に予定していた第7回目のイベントは延期に…。人が集まることが難しい中でも、世の中のためにできることはないか。私たちは模索していました。


◆始まりは一人の職人との出会い
有難いことに、私たちの活動を支えてくださっている方々のご縁から様々な経営者の方とお話しする機会があります。そんな中でお会いしたのが、このプロジェクトを始めるきっかけを作ってくださった小佐畑孝雄さん。「有限会社 桂雛」、祖父の時代から続く三代目の人形作家です。とても親しみやすい人柄の小佐畑さんは、私たちをお店に招いてくださり、たくさんのことを語ってくださいました。


◆初めて触れる伝統工芸の奥深さ
お店というよりも美術館のような雰囲気の桂雛小佐畑人形店。そこには様々な色や柄の着物を着たお雛様がたくさん飾られていました。
もちろん、その一点一点が小佐畑さんの手作り。人形の着物の柄や色はもちろん、人形の基礎となる木や着物との間に挟む和紙一枚にも強いこだわりを持たれています。それら全てが伝統的工芸品であり、その一つ一つが重なりあい、融合したものが一体の雛人形として命が吹き込まれるのです。しかし「これで完成ではありません。そこが伝統工芸の良さなのです。」とおっしゃる小佐畑さん。これから先、何十年何百年と時間が経つにつれて、水分や光によって増してくる艶や変化する色。人と時間を共にしていくことで伝統工芸は完成へと近づいていくそうです。
これらのエピソードは、うかがった話のほんの一部のみ。伝統工芸の奥深さは語っても語っても語り尽くせません。



◆”職人として残したいのは、技術ではなく想い”
そう小佐畑さんはおっしゃいました。
一体の人形を作るにあったて込められた小佐畑さんの職人としての想い。そして雛人形を手に取ってもらうことで感じてもらいたい日本人としての想い。この想いこそ、私たちが未来へつないでいきたい日本の心なのだと確信しました。



◆見えてきた伝統的工芸品産業の課題
しかし、お話を聞き進めるうちに分かったのは、日本の伝統的工芸品産業の現状。生活様式の変化や機械化による製品の低価格化、販路の複雑化、原料や場所の確保難や後継者不足など、時代の変化に伴って様々な課題が山積みになってきています。時代の流れにのろうとも、これまで作ることに命を懸けてきた職人が多い中で、自分たちの力だけで伝統工芸の衰退を食い止めることは難しいようです。


◆未来を担う若者の使命
だからこそ私たちは立ち上がりました。これからの未来を創っていくのは、間違いなく私たち若者です。そんな私たちが “モノという形” だけの伝統工芸品ではなく、それに込められた先人や職人たちの “想い” を伝えることで、日本の心を取り戻し、未来へつなげていきたいと思っています。



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