こころに刻まれた2/22

転院と言うより救出。

そんな日だった。

きっとひどい扱いだったわけじゃない。
手厚く看護してくれたと思う。

だけど、およそ1ヶ月半ぶりに会った母の姿はあまりにも衝撃的で、ハッキリと脳裏に焼きついている。

母はベッドの下半分に横たわり、荷物がベッドの上、クローゼットの上など一面に散らかっていた。
右半身が麻痺している母には、整理整頓などできるはずがない。トイレや食事、すべてに人の手を借りるしかない。身の回りの整理整頓までしてはもらえない。

1ヶ月半もの間、どんな生活だったのか。

病院には荷物の入れ替えで何度も通った。でも面会は一度もできなかった。
毎日かかってくる電話で辛い状況を訴えていた。
聞いてはいたものの、これ程までとほ思っていなかった。

病室に入り目に飛び込んできた光景に、涙が出そうだった。

けど、そんな時間はなかった。

荷物をまとめて手続きをして、直ぐに転院先の病院に行かなければならなかった。

気弱になっている母を励ますため、明るくふるまわなければならなかった。

転院先まで車で30分、母と話せるのは移動の時間だけだから、明るく振るまわなければ、、
そんなことを考えていた。

転院と言うより救出した。

そんなことを考えていた。

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