母の友達

夕方外に出るとポストに回覧板が入っていた。近づいていくと、裏の家のおばあさんが、シルバーカーを押しながら立ち去ろうとしていた。

おばさん!こんにちは♪

たしか今年で91歳になるはず。話す内容もはっきりしていて、シルバーカーを押しているが自分の脚で歩ける。
まだまだ元気だ!!

母とは仲良しだった。毎週他の友人2人と連れだって喫茶店に行くことご日課だった。

もっと昔、私が小さかった頃。
夕方、ふと気がつくと母の姿はキッチンになかった。夕飯の支度が途中になっている。
どこへ行ったのか誰もわからなかった。

もうあたりはすっかり暗くなった頃、母はやっと帰って来た。

どこに行っていたのか聞いたら、裏のおばさんとずっと喋ってたと言った。

呆れて文句を言う気にもならなかった。
母らしい、、、。

裏の家のおばさんもよく喋る!
今も変わらない。

生きるのもえらい(辛い)が今の口ぐせ。

母の顔を見に行きたいが、余分には歩けないから見に行けん。
と言って、またシルバーカーを押して、ゆっくり、ゆっくりと帰って行った。

おばさんが若かった頃、もっと足どりも軽やかで、もっと早口でもっと声が大きかったことを覚えてる。

時は流れたんだなぁ。



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