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アライさん界隈について思うこと

最近ツイッターで「アライさん」が大量発生している。勿論駆除すると2000円程の報酬がもらえるアライグマではない。けものフレンズの登場人物の一人であるアライグマのフレンズ「アライさん」である。しかしアニメで知っているような自由奔放で暴走しがちだけど元気いっぱいで愛嬌のある、いつも友達のフェネックと一緒にいるアライさんともちょっと違う。検索かけてもらうとわかるがその実は、限界アニメーターだったりバイセクシュアルのアライさんだったりうつ病のアライさんだったり、しまいには元薬物依存症のアライさんだったり親の愛をもらえなかったアライさん等なかなかダークな部分を抱えているアライさん達だったりする。(勿論ぼんやりとしたアライさんとか特徴のないアライさんとか書いているアライさんもいるがつぶやき探ってみるとやっぱり悩み多きアライさんだったりする。)

アライさん達への受け取り方も千差万別だ。なりきりごっこ、傷のなめあい、悪ふざけ、元のアライさんに対するリスペクトがない等怪訝な目で見る人も多いし、ある日突然フォローしていた人がアライさんになって困惑している人もいた。また悩み多きアライさんにはアニメのように共に歩んでくれるフェネックがいなかったり別れてしまっている人もとても多い。そんなアライさんは見ていてつらいのだという声も少なくない。わかる。正直面白半分で踏み込んでいけないつぶやきをしているアライさんも多く、時にはその思考に引っ張られそうになる文面だってある。正直ネットの戯言だから嘘か本当かわからないのにね。

でも、いろんなアライさんはいるけどそれで優劣つけようとしているアライさんはほとんどいない。だってみんな「アライさん」だから。ネットの向こう側、パソコンの前やスマホの前にいるのはいろんな環境の人達だけど「アライさん」というキグルミを着る事で(少なくともその界隈では)平等になれるから。それは一種の懺悔室のように感じるし、そこで自分の過去や悲しみを吐露することで他のアライさん等から気にかけてもらえたり、それこそ1ファボもらえることでなにかの許しや慰めになっているのだと思う。もしかしたらじさつサイトで集まってくる人たちが掲示板で書き込むことで踏み止まれることにも似ているのかもしれない。

結局「アライさん」になることで、その皮を被った人の本質的な問題解決にはならないのかもしれない。けれどもどこかで悩みや辛さを吐き出す場所がほしい、本来はそういう事が自由にできたのがツイッターでありネットであったんだけど、今はやれ自分語りが始まったとかいや俺やあの人のほうがつらいから我慢しろやというマウント取り、そんな辛さに合わないように「アライさん」という「現象」になることで一つの解決方法を見いだせたのだ。正直アライさんである必要もないのかもしれないのだけど、そこはアライさんというキャラクターならツライさんになっても許されるような、そんな空気が出ているからだと思う。

ネットの流行りの常で、最近ねと○ぼやらTogetter、はたまたAbemaTVのニュースとしても取り上げられました。またどうしても自分語りや作品の紹介なんて話になるので身バレしてしまう可能性も大きい。出来たてで、そして脆い界隈ではあるし、いやそんな負の話題なんて見たくないよって人もいるかも知れない。そんな人は「アライさん」をミュートワードにすれば即座に解決できるし、もしいろんなアライさんの中で興味深かったり、しんどそうだなあって事があったら、別にリプライはしなくていいからRTやファボだけでもしてあげてほしい。それがその「アライさん」にとっての励みや力にきっとなると思うのだ。

少しでも、つかの間でもいいから安らげる場所になればいいと思うのだ。

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