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幽霊のいじめ[霊子さんの心霊体験]

昔から霊が見えるという霊子さん(仮名)の心霊体験のお話です。
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中学生の頃、流しの上の食器棚から食器を取り出すとき、落としてしまった。
拾い上げようと前かがみになって食器を手に取って頭をあげたとき、閉めたはずの食器棚の扉が開いててその角にガーンと頭を打った。その衝撃で舌を噛んでしまい、血とよだれがぶわーっと出てきた。いた~ っと思って上を見上げると、それまで家に居なかった女の霊が、なんだか「フン」といった顔をして見ていた。
痛いし頭にきて、バンと思い切り閉めて、ともかく病院で手当てしてもらおうと思ったが、中学生の私は何科に行ったらいいかわからなかった。
取りあえず内科に行くと口腔外科ですよと教えてくれた。そこで一針縫ってもらったが、それだけ痛かった。
そこから、その女が、例えば朝洗顔して鏡を見ると、私の顔の位置にその女の顔が、週に2-3回の割で現れて、私は「じゃまじゃま」と言ったりする。今までペン立てに刺してあったペンが、取り出してもいないのに無くなったり。勉強に使うので探しても見つからないので違うもので代用すると、気が付くと絶対にあるはずの無いところから見つかったりする。明日の準備を前日の夜にする性格だったので、靴下とかも、畳んで置いておくのだが、朝起きると片方が無かったり。お風呂でも出していたお湯が急に水になったり。結構そういうのが続いた。そんな時は、その周りのどこかにその女がいた。そして「フフ」とほくそ笑んでいるので絶対にこの女の仕業に間違いない。
学校でも、階段を上っていると足元をすくわれて落ちそうになったり。ドッチボールの授業でも絶対に取れたはずのボールが、距離感が分からなくなって顔面に当たって鼻血が出たりした。そんな時も、その女がいた。
そんな中、最終的に私が怒ったのは、受験勉強していた時、机の電球が点いたり消えたりする邪魔をするので、「いい加減にして~」と怒鳴った。次の日の朝、寝坊して時間が無かったので、コーンフレークでいいやと思い、引き出しからスプーンを取ろうとした。実家の食器棚の引き出しは、スプーン・フォーク・ナイフと分けて入れてあったのだが、スプーンを取った瞬間に、別の場所にあるはずの果物ナイフの刃先がこちらを向いていたらしく、指先の爪の下に刺さってしまった。痛くて取ろうとしたが、深く刺さって簡単には取れないほどだった。その時も、「フフ」と笑い声が聞こえた。もう、頭にきて、台所の塩を掴み、「死ね、おまえー」と言いながらまき散らした。すでに死んでいるので「二度でも三度でも死ねー、消えろー」と怒鳴ったが、周りの家族から見れば、「娘ご乱心」の状態だっただろう。
血は出てるし、痛いし、積年の恨みで塩を撒いていると、食器棚のガラス扉の中でフフと笑っていたこいつが「ぎゃー」という声とともに、ねじれながら消えていった。
突然私に憑き始め、何が目的だったのか、いまだにわからないが、舌の縫い傷と指先の爪の下の縫った後の傷だけは、いまだに残っている。


この投稿は、200話以上アップしてあるブログ「霊子の日記」からの抜粋です。

YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。


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