「自分の問いを、他の人も興味を持ってくれるように変換してみる」土門蘭さんによるインタビュー記事製作ワークショップ①レポート
今月の編集会議の前には、小説家の土門蘭さんに、インタビューで自分の視点を織り込むにはどうしたらいいか?をお話しいただくワークショップを開催しました。全3回にわたるワークショップの第1回目の様子をレポートします。
▼土門蘭
1985年広島生。小説家。京都在住。インタビュー記事のライティングやコピーライティングなど行う傍ら、小説・短歌等の文芸作品を執筆する。著書に『100年後あなたもわたしもいない日に』『経営者の孤独。』『戦争と五人の女』。
Twitter:https://twitter.com/yorusube
ANTENNAで土門さんを取材した記事はこちら。
土門さんにとってインタビューとは、「自分の問いから出発してインタビュイーと対話し、一緒に答えを探し出して書き手、インタビュイー、読者とその答えを共有する」こと。そのための企画書作りは、「自分が考えた問いを読者も興味を持ってくれるように変換し、その問いを伺いたいと思うインタビュイーとその人に頼みたい理由を考える」ことから始まります。今回はその「自分の問いを変換すること」に重きをおいてお話しいただき、メンバーそれぞれでワークに取り組みました。
ワークにはmiroという、オンライン上のホワイトボードで共同作業できるツールを用いました。「今、自分が興味があること」や「今ってどんな世の中で、どんな課題を抱えているか」などのテーマについてどんどん言葉を書き出して行きます。そして気になる言葉から「問い」を作り、それに「今がどんな世の中で、どんな課題を抱えているのか」を考えた事柄を掛け合わせることで「他の人も興味をもってくれそうな、少し広い問い」に変換していきます。
この「今ってどんな世の中で、どんな課題を抱えているか」というのが、重要であり難しい要素だなと改めて思いました。自分の世の中の捉え方がある程度、世の中の人が思っていることと合致していないと、結局的外れな問いになってしまう恐れがあります。自分の興味を広げ深めると同時に、世の中の人がどう思っているのかリサーチする必要がある。同時にこの「世の中」をどの程度の範囲に設定するかで、読者を絞ることもできると気が付きました。「その人達がなにを思っているかを的確に想定することができれば、それまで全く興味のなかった事柄の記事を届けることも可能なのではないか……」そんなことを考えていました。
ワーク後には皆の書き出したものを見ながら、それぞれが自分の考えを共有。自分からは出てこなかった、他のメンバーの問いや視点を見られるのはとても興味深かったです!
「自分が感じている世の中だけでは、自分の問いに広がりを持たせられないな……」というときは、他の人に聴いてみるのもとても良い解決策になるかもしれません。自分が全く考えていなかった事柄に目を向けているメンバーの存在、改めて貴重に感じました。
全3回の土門さんによるワークショップ。第2回の内容も楽しみです。
ライター:児玉泰地
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