記野式：サクッと！ゲーム業界講座　4月前半号

こんにちは。4月になりまして模様替えをしました。いつも通りゲーム業界及びその周辺の情報をいろいろと書いてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

実はこのタイトル変更のお知らせとともに前回お伝え出来なかったSuperDataの世界のデジタルゲーム市場のニュースを号外でお送りする予定だったのですが…。実は大変なことになりまして。笑。この話はあとでお話ししますね。まずはまえがきのClubhouseの続報から参ります！

今回の為替レートは1ドル＝109円で計算しています。

＜記野式まえがき：Clubhouseはオワコンなのか？＞

１．Twitterの音声チャット機能「Spaces」

音声SNS「Clubhouse（クラブハウス）」に対抗してTwitterの音声チャット「Spaces」が今月中に始まる予定です。

ClubhouseはiOSユーザーのみに提供されていますけど、SpacesはiOSに加えてAndroidにも提供されます。2020年12月に公開テストを始め、3月にβ版、その後驚異のスピードで4月中に一般公開とのこと。楽しみではありますね。

日本では一時急激に過熱した分、落ち込みが激しく「オワコン」と言われているClubhouseですが、Twitterの新しい機能ローンチによる競争でブームは再燃するのでしょうかね。

２．TwitterがClubhouseを買収しようとしていた！

Clubhouse自体は誕生してまだ1年も経っていませんが、アメリカではビジネス界やハリウッドの大物たちがこぞって参加しています。たくさんの人たちがコロナ禍で音声コミュニケーションに飢えているタイミングだったことが功を奏しただけでなく、招待制だったことも「我も乗り遅れないぞ」感に火を付けましたね。

Twitter社はもちろん既存のソーシャルメディア企業はClubhouseの自社バージョンの開発にいち早く着手しました。Microsoft社のLinkedInやSalesForce傘下のSlack、Facebook傘下のInstagramも独自にClubhouseが提供する音声チャット機能を自社アプリ内に導入しようとしています。

つまり、ClubhouseはどのSNSから派生したわけでもない独立系スタートアップが立ち上げた音声SNSなのです。ええ、もちろん買収や投資のターゲットになってますよ。

Bloombergは、Clubhouseは過去数カ月わたってTwitterとの買収交渉を行っていたこと、その話が物別れに終わったことを報じています。Clubhouseは現在も投資家からの資金調達に向けて交渉中でありその現在の評価額は約40億ドル（約4,360億円）とのこと。

Twitter社と決裂した理由などは明らかにされていませんが、Clubhouseは買収されるよりも約40億ドル（約4,360億円）の評価額で資金調達を行う戦略に変更されたと言われています。

Twitterは「Spaces」の開発を進めながらも水面下でClubhouseの買収を進めていたんですね。なかなか感慨深い。ま、交渉は決裂したのでこれからは「競合」ってことになるんでしょうね。

３．Clubhouseの「Clubhouse Payment」

Clubhouseは新しい課金システム「Clubhouse Payment」を発表しました。ユーザーが好きなクリエイター（スピーカー）に送金することができる機能です。まさに「投げ銭」機能ですね。

ユーザーは、お気に入りのクリエイターのプロフィールページへ行って送金操作をすることになります。Clubhouseによると「支払った金額は100％クリエイターに届き、Clubhouseは何の手数料も取りません」。わお！近年のApple vs Epicなどに見られるプラットフォーマーの課金手数料問題に一考を投じる発表ですね。

「クリエイターがClubhouse上で直接支払いを受けられるようになる！」とニュースになっていますが…実際はホントの意味での直接送金ではなくStripe（ストライプ）という決済業者をカマせています。

素晴らしい！でも、それではClubhouseはどうやって収益化するんでしょうか？？？現在はすべて無料でサービスを行っていますからお金は出ていくばかりかと。そんでもってTwitterとの買収交渉が流れたとなれば今後調達したお金を流していくばかりではないですかね？

との心配は余計なお世話かもしれませんが、今後のClubhouseの動向はこのトピックをきっかけに関心の的になるでしょうね。

「Clubhouse Payment」は4月5日から少人数のテストグループで施行されますが、このグループがどいう構成なのかは発表されていません。いずれにしても他のユーザーにも段階的に公開されるとみられています。