懺悔室①スースーシャンプー
九月に入り、残暑が厳しくも徐々に秋の足音を感じる。もうすぐ夏が終わる。夏が終わる前に謝っておかなければならないことがある。
まだ、夏の初めに買ったスースーするシャンプーを使い切っていない。多分使いきれずに秋が始まる。本当に申し訳ない。
夏が始まると、毎年スースーするシャンプーやらボディーソープを血眼で探してしまう。
今回のシャンプーも薬局をハシゴしてやっとの思いで見つけたやつだ。
スースーするシャンプー、本当に好きだ。洗った〜って感覚が分かりやすいし、なんといっても爽やかで最高。でも、1ヶ月くらい経つと毎回、「もういいかもな」という時が来る。だいたい半分くらい使った時に来ることが多い。
スースーするシャンプーって、なんか、髪質に合うとかサラサラになるみたいなところよりも、スースーの嬉しさ、楽しさで買ってしまうんだよな。機能よりもエンタメ重視というか。(シャンプーによっては機能面重視のやつもあるのかもしれん。その場合さらに申し訳なさがある。)
とはいえ、お風呂なんて生活も生活の行為だからこそ、ふとした瞬間に機能に立ち返り、普通に髪質に合うシャンプーを使い始めてしまう。そうなるともうスースーに戻れなくなる。スースーシャンプーは夏の片道切符。
夏が過ぎ、しばらく経った時に、母から「ななちゃん、スースーシャンプーもういいの?」と言われる。申し訳なさ過ぎて毎度「ん〜…」と返事を濁してしまう。母は仕方なくスースーシャンプーを使う、秋が始まり涼しさを迎える頃に。
スースーシャンプーに謝っている場合ではない。謝るべきは普通に母だ。マジでごめん。毎年毎年スースーシャンプーを余らせる娘でごめん。もはや、スースーシャンプーに腹立ってくる。お前はもうすこし、少ない容量で販売をしろ。ひと夏に使うには多すぎる。半量にしろ。というか、私もそろそろ覚えろ。スースーシャンプーを使いきれないなら買うな。買うなら責任を持ってひと夏しっかりスースーしろ。本当に情けない。
今年は残暑が厳しく、まだ暑い日が続くらしい。今日九月に入って初めてスースーシャンプーを使った。頭のスースー、ちょっと時期外れな感じがして違和感がある。取り返しがギリ着くうちに、立ち返れて良かった。明日もスースーを使う。居心地は少し悪い。