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【アビスパ福岡】明治安田生命J2リーグ第30節vs.アルビレックス新潟:キーマンが輝いた、石津とドゥドゥの躍動【マッチレビュー】

2018年明治安田生命J2リーグ 第30節
日時:2018年8月26日(日)18:00キックオフ
試合会場:デンカビックスワンスタジアム

結果:アルビレックス新潟 0-3 アビスパ福岡

【ハイライト映像】


皆さん、こんにちは。

昨日は久しぶりにダゾーンでアビスパ福岡の試合を観ることができました。情報遮断をせずに試合を楽しむことが出来るということで、わくわくしながら試合を観ていると、ツイッターの他の人たちの方が映像が早かったようで、あれよあれよという間にゴールが決まったとの報告が・・・

その10秒後に実際にゴールを決める石津、そしてドゥドゥ・・・

深夜に一人で試合を見る方がよっぽど情報遮断できてた!!!!


そんなこんなで、無事に新潟に勝利しましたね。

僕がマッチプレビューで絶対的なキーマンになるとして挙げた梶山がまさかのメンバー外という誤算を除けば、石津がその選択肢の多さでボールホルダーに喰いついてくる新潟ディフェンスの習性を利用した得点もありましたので、個人的には満足な内容でした。

新潟は前節までサイドで起用していた矢野貴章をトップの位置で起用してくることによって、なんとか攻撃の形を維持していたようでしたが、新潟の戦い方のボロの方が目立ったような印象でした。

それでは試合の振り返りの方にいってみましょう。

【試合前情報】

まずは恒例のスターティングメンバーから入っていきましょう。

まずは我が軍からですが、クロスを上げ続ける攻撃を主体の新潟に対して高さのある吉本を「対新潟」として起用してきましたね。

井原監督もこの吉本を起用した理由を試合前インタビューで語っていましたが、

先ほど上げた理由に加えて、経験値の高さ、攻撃時のセットプレーのオプションとしても考えているという理由を語っています。

それ以外のスターティングメンバーについては、前節と同様になっています。

そして、次に新潟のスターティングメンバーを見てみましょう。

新潟は前節からかなりのメンバーを入れ替えてきました。前節は大宮相手に3失点を浴びて完敗していますから仕方ないでしょう。

変更点としては、なぜかチームの主軸だったはずの梶山がベンチ外。その代わりの部分に中盤に大宮からレンタル中の守備的なミッドフィールダーであるカウエを起用。そして、前節はベンチスタートだった田中達也をスタメンスタート、それと同時にいつもなら右サイドで起用されていた矢野貴章がトップの位置に移動。そして、ドイツから逆輸入で加入した渡邊凌磨が右サイドのハーフで起用されました。

とにかく新潟は渡邊の嵐。フォワードの渡邊新太、右サイドの渡邊凌磨、サイドバックの渡邊泰基・・・

どれがどの渡邊だよ!


さて、新潟専用の吉本をスタメン起用した福岡、そしてスタメンをいじくりまわしてきた泥沼5連敗中の新潟の試合を分析していきましょう。

【前半】キーマンが輝いた、石津とドゥドゥの躍動

前半の注目ポイントとして僕が挙げていたことが、

味方を活かすこともできる、自分でゴールを狙うこともできる、ドリブルもシュートもパスも高いレベルで出来る石津にボールをどれだけ収められるかという部分でした。

なぜなら、マッチプレビューでも言ったのですが、新潟の守備を見ていると「最終ラインのバランスを崩してでもボールホルダーにプレッシングに行く」という守り方を採用しているからです。

良く言えば「積極的なチャレンジ」、あえて悪く言うなら「喰いついてくる守備」。つまりは、守備のバランスが崩れるほどボールに対してチャレンジに来るので、上手くボールを回すことができれば、相手のディフェンスラインにとんでもない穴を作ることが出来るのです。また、彼らはカバーリングの部分についての共通認識が薄いようで、あり得ないようなカバーリングのミスも多々ありました。

そこで、味方も活かせるし自分でもゴールに直結する動きのできる石津ならば喰いつかせた上で空いた穴を突くことができるのではないかという部分から、彼をキープレイヤーとして挙げました。

これが本当に実現してしまいましたね(笑)

まずは先制点のシーン(【訂正】ドゥドゥの進行方向の矢印がサイドから伸びていますが、正しくは相手のディフェンダーと並んだ位置から進んできます)。

鈴木惇の縦への展開に対して、ドゥドゥが斜めの動き(ダイアゴナルラン)で相手のディフェンスラインの裏への侵入していきます。そこに平行してついていくのは、新潟のセンターバックのソン・ジュフン(受粉してそう)。ドゥドゥについていくことで、そこにはぽっかりとスペースが空きます。しっかりとボールに対してチャレンジしているので悪い動きではないのですが、そこにカバーリングをする人が誰もいません。そこに対して石津はスペースに入り込む動き。

ドゥドゥがサイドで倒れながらもスペースにクロスを上げます。そこに反応したのは石津でした。しっかりとスライデングをしながらフリーでシュートを決めて先制。

ソン・ジュフン(受粉してそう)が空けたスペースを埋める人は誰もおらず、あっさりと福岡が先制点を挙げます。新潟の守備の良くないところは、食いつくというか、カバーリングに入らないという所かもしれませんね。

ここで僕は、

「喰いついたのはキーマンに挙げた石津ではなくて、ドゥドゥか・・・」なんて思っていたのですが、その数分後に

ドゥドゥとのワンツーパスで相手のディフェンスで喰いついてきた選手を簡単に抜き去り、ディフェンスを一枚無効化します。そのまま中央にカットインする動きでゴールを意識させることで、新潟のディフェンスの目線を完全に奪います。

しっかりと中央でディフェンスを引き寄せた石津の技ありヒールでボールは松田の所に入ろうとしますが、後ろから前向きで走り込んでいるドゥドゥがいたので松田はそれを冷静にスルーしてドゥドゥにボールを触らせます。

抜け出したドゥドゥも選択肢が少ない中でしっかりとサイドネットにシュートを突きさして、あれよという間に追加点。

足を痛めながらも全力スプリングを続けるドゥドゥには頭が上がりません。そして、謎のゴールパフォーマンス(元ネタはなんですかね?)

このようにゴールシーンを見ると、福岡の個のレベルの高さ、そして新潟の喰いついた所のカバーリングという部分の弱点がかみ合わさった結果、あっさりと得点を奪うことができました。

恐らく、「あっさり入ったな?」と同じようなことを感じた方も多かったのではないかと思いますが、福岡が良かったというよりも、新潟のカバーリングに問題があったようなゴールだったように感じます。また、福岡は個々人の力はありますから、そういった選手たちに自由にやらせたら、やはり得点に直結する動きをできますからね。そういった部分もあって、ゴールがあっさり入ったのでしょう。

先にニヤケがでるほど、完璧な形で自分たちのストロングポイントを活かせた福岡の得点シーンを紹介しましたが、全体図を改めて振り返っていきましょうか。

まず新潟の狙いは、前節から一貫してショートカウンターを狙いにいきました。ショートカウンターとは、相手のゴール近くでボールを奪う事で、素早くシュートまで迫るという攻撃方法なのですが、新潟のプレッシングに苦しむ時間も少なからずありましたね。

例えばこんなシーン(後半のシーンですがプレッシングの例として)

サイドバックがボールを持っていますが、縦のパスコースはありませんし、CHの鈴木(頭が肌色な人)にボールを出そうにも、コースを切られながらディフェンスをされているので、右サイドバックの古賀太陽はボールの出しどころがありません。

前線にロングボールを収められる選手がいないということもあるので、出来るだけショートパスで攻撃を組み立てていきたい福岡に対して、パスコースを消しながらプレッシングに行く新潟。ここから縦に出した所を新潟は奪って、田中達也の交代前の強烈なミドルシュートの局面へと繋がっていきます。

福岡の自陣でのスローインに対してもこれだけの枚数を前線にかける新潟。ショートカウンターを狙っていることが簡単に伺えます。

このシーンでは、サイドバックの古賀太陽からドゥドゥのボールが入った時に新潟のサイドハーフの田中達也がプレッシングに行きます。ドゥドゥは前を向かせてもらえないと判断し後ろに下げようとしますが、

こういう横のパスコースに対しても厳しくチャレンジに行きます。高い位置でボールを奪いに行くことで、前線に人数をかけらるので、攻撃に転じた際の選択肢が多いのがショートカウンターの特徴の一つでもありますが、新潟はこの選択肢を多く持つことで攻撃を組み立てていくかと思いきや・・・

やってきたサッカーはロングボール一辺倒でした。

せっかく高い位置でボールを奪って、守備ブロックが崩れてる局面だったのに、サイドに出しちゃうの!?という場面も多々ありましたが、それも恐らく新潟の狙いだったのかもしれません。

ボールを持つと攻撃の狙いとしては、ターゲットマンとして動く矢野貴章でした。

ハイボールに対して矢野が競り合うシーンなのですが、そこに対してのサポートがたくさんいますね。

サイドでボールを持つと、カットイン・・・なんてことは狙わずに、すぐさま工夫のないクロスボールを入れるという攻撃を推し進めてきます。


実はツイッターでこんな意見を貰ったので、そうか矢野は中央のプレーヤーではないのかと思っていましたが、

バリバリ中央でのプレーの方が利いていましたね。

(恐らく、プレー数的にはサイドの方が多いのかな?)


クロス一辺倒での攻撃を進めてきた新潟ですが、やはり中央で高さのある矢野が競り合うシーンがあると冷や冷やしました。

それから、矢野はカウンター時の基点となるよるに守備のタスクを免除されているのですが、彼の突破力はゴール前でこそ活かしたいものですね。彼のトップ起用こそが残された新潟の泥沼から抜け出す道とすら思いました。

そして、この日の新潟は矢野貴章の相棒として渡邊新太が、かなり動き回ってチャンスに絡んでいた印象を受けましたね。やはり、彼にフリーでボールを持たせると高精度なミドルシュートが飛んできます。トップというよりも、トップ下のような位置で矢野の競りあったセカンドボールの回収であったり、アタッキングサード手前でボールに触りながら攻撃に厚みを加えていましたね。

それに対して福岡はというと、そうやって攻撃をしてくる新潟に対してしっかりとゴール前に枚数をかけていくことでゴール前に鍵をかけていきます。圍を中心に、ゴール前を死守しつつ、ボールを奪うと、栃木戦のように相手の裏のスペースを突くだけのロングパスだけでなく、しっかりとつなぐ意識を持ってプレーをしていました。

ボールを奪った後に攻撃陣に正確にボールを前線に送れる鈴木惇の存在は非常に大きいですね。彼がボールを持つと、常に広い視野と、正確なキックで攻撃に大きな貢献をしてくれます。また、サイドの選手がボールを持っている時の横のパスコースを空ける動きを見せてくれたりと、チームにとってとても助かるプレーを続けてくれます。

それに加え、キャプテンマークを巻く回数も増えてきて、彼の頼もしさはより一層増したように感じますね。

彼の部分にマークが集中したときは、サイドバックが高いレベルの選手たちがいますので、彼らを中心に攻撃を進めていくこともできます。柏レイソルブランドは非常に安心感がありますね。

前半は見事な形で先制した後は、新潟のハイプレスに苦しんだ時間帯もありましたが、しっかりとディフェンス陣がボールを弾き返し続け、リードのままで後半を迎えます。

【後半】しっかりとクリーンシートで締めた!そして、ダメ押しのリキ・マツダ

久しぶりに帰ってきてくれました。僕たちのリキ・マツダ。

(リキ・マツダというのは、松田力が一試合で2連発でスーパーゴールを決めた試合で、ダゾーンの実況が「リキ・マツダ」と呼んだのがきっかけで定着した、スーパー松田のことです)

無失点、そして3得点、松本といい大分といい、トップ達が立て続けに勝ち点を落としていった30節で見事に勝ち点差を縮めることに成功します。

苦手意識のあった新潟ということで心配していましたが、しっかりと勝利で試合を終えました。

さて、後半の解説に入ってみましょうか。

まずは恒例の平均ポジションから確認をしておきましょう。

福岡の平均ポジションで気になるところは、SHの位置でしょうか。攻撃時の押し込む形の時に、サイドバックを一枚上げてサイドハーフを中央でプレーさせていることが分かります。

ドゥドゥやマツダといったプレーヤーを中央、つまりゴールの近い位置でプレーさせることができれば、得点につながる機会は必然的に増えてきますので、ここに関しては毎回恒例のように高いサイドバックを高い位置でボールを触らせていきます。

それから、石津のボールを触る位置が高いとこも分かりますね。この試合のキーマンは石津と何度も言っていますが、ビルドアップの時に彼が前線の受け手となる動きをしてくれることによって、2次攻撃、3次攻撃とつなげることができます。守備時でも、相手のセンターハーフを中心に、しっかりとプレッシングに走ってくれるようになりましたからね。そこは良い成長をしてくれたと言えますね。

また、ディフェンス陣もしっかりとクロスボールを集中力高く弾き返し続けてくれました。「対新潟」要因の吉本は、徳島戦で3失点と悔しい思いをしているはずですし、これをきっかけにしっかりとフィーリングを合わせて欲し所です。

こちらがアルビレックス新潟の平均ポジションです。

もう少し渡邊新太の部分が低い位置を取っていたような感覚でしたが、やはりクロスのターゲットとなった彼と矢野貴章のボールタッチポジションは高めとなっていますね。それから、大宮から期限付き中のカウエは攻撃的というよりも、ボール奪取力だったり、低い位置からのサイドへの展開力といった部分が特徴的でした。

梶山のように周りを使いながら、相手の穴を糸を通すようなパスで試合を作るというようなプレーをできる選手がいなかった以上、新潟としては中央からの攻撃にやや苦しんだ印象を受けますね。

個人的に、26番の戸嶋という選手の献身性が非常に高い事の好感を得ました。ボールがサイドにあるときは、そこのサイドの斜め後ろのパスコースを確保する動き、まだまだボールを受けた後の展開にはアイデアが足りないように感じましたが、とても良い選手だったと思います。

それから田中達也と、渡邊凌磨といったサイドハーフのプレーヤーがやや中央に寄っていますよね。これは、矢野貴章が競ったボールに対してのセカンドボール回収を担当していたことから、この位置でのボールタッチが増えているのだと想定されます。

それでは後半に方に入っていきましょう。

後半になると、福岡はさらに守備固めを強めてからのカウンターを狙うようになりました。

ある普通の流れのシーンからの局面ですが、自陣のペナルティエリア内に11人が集結するという守備固めっぷり。

ボールを奪うと前線の数枚で攻撃を仕掛けるので、全体が間延び。新潟も新潟で前線がボールを収めても後ろからの押し上げがないので間延び。結果として、非常に濃度の薄い展開が続いていきます。

こういったオープンな展開の時には、ボールを持って効果的なパスの出せる枝村であったり、走りで差をつけられるユ・インス、そしてレオミネイロといったプレーヤーが効果的となってきます。

後半の早い段階から森本に代えてレオミネイロを投入します。レオを投入してから前からのプレッシングの強度がやや上がりますが、ショートパスでビルドアップをしてこない新潟に対して、彼のプレッシングは意味を持たず。前線に残りながらカウンターの起点となる動きを見せたり、守備組織の構築のために走り回ってくれました。

そして、福岡はその後にインスを投入して低くなったチームの重心を前にするべく、石津を下げてインスを投入します。

このインス投入によって、オープンな展開のカウンターのシーンでチャンスを作ります。

こういったようにカバーのいないサイドでの1vs1に相手の足が止まった時間にインスが仕掛けます。あっさりと一枚を交わした後は簡単です、中央に送り込むだけですが、新潟の選手は完全にボールウォッチャーとなってしまっています。

これがリキ・マツダです。


放ったシュートはグラウンダーでゴールキーパーの足元のコースでしたが、新潟のセンターバックの富沢の足に当たってしまい軌道が変わってゴールイン。

オープンで間延びした展開に、カバーリングをつけない新潟にユ・インスは対応しきれませんでした。そして、ラッキーマンのリキ・マツダが押し込んでダメ押しの追加点。

そしてしっかりと抑え込んで勝利をおさめます。新潟は途中でターレスというターゲットマンを投入するも、望むような動きを見せられずむなしく泥沼7連敗。

次はホームで大分です。マッチプレビューがまた鬱になりそうな試合を観返さなければ!

【勝ち点計算表】

まったく、アビちゃんは「次負けたら怒るよ!」っていう試合では勝つもんなあ

【まとめ】

今週だけで福岡に3回帰るという鬼畜日程をこなしています

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