2020年度動物看護師統一認定試験 問題と解答・解説(問41から問50)

2021年3月7日に行われた動物看護師統一試験問題の解答と解説です。

解答はみつのが正解だと思うもの、解説は、あちらこちらのテキスト、インターネット検索等で調べて書きました。

あなたのお役に立てれば幸いです。

疑義等があればコメントをお願いします。

問41 「動物の愛護及び管理に関する法律」で定められている動物愛護週間のある月はどれか。

1 2月
2 4月
3 5月
4 9月
5 11月

問41 正解4

動物の愛護及び管理に関する法律
第四条 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。
 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。

問42 動物看護過程における5段階のうち、改善すべき問題を抽出するステップはどれか。

1 アセスメント
2 動物看護診断
3 動物看護計画
4 動物看護実践
5 動物看護評価

問42 正解2

動物看護過程の流れ
1)アセスメント 情報を収集し、整理・解釈・判断する

2)動物看護診断 「看護上の問題点」を抽出する

3)動物看護計画 「看護目標」を設定し、「観察項目」を挙げてから、「看護計画(看護のための具体策)」と立案する

4)動物看護実践 「看護記録」を記入する

5)動物看護評価 「看護目標」の達成度を確認する

問43 「獣医療提供者から充分な説明を受け、理解・納得した上で治療方針に同意すること」を意味するのはどれか。

1 インフォームド・コンセント
2 コンプライアンス
3 エンパワーメント
4 アセスメント
5 ノンバーバルコミュニケーション

問43 正解1

1 インフォームド・コンセントとは、説明を受け納得したうえでの同意のこと。

2 コンプライアンスとは、法令や規則をよく守ること。法令遵守。

3 エンパワーメントとは、英語の意味は「権限を与えること」「自信を与えること」「力を付けてやること」。そこから派生して、組織を構成する一人一人が力をつけ、自発的に行動ができるようにしていくこと。結果として、組織のパフォーマンスが上がる。

4 アセスメントとは、対象を客観的に評価・分析すること。

5 ノンバーバルコミュニケーションとは、非言語コミュニケーションのこと。つまり、顔の表情、声の調子、香りなど、5感によってとらえることのできるコミュニケーション。

問44 心電図検査に関する記述として正しいのはどれか。

1 波形が出ていれば、心臓は動いている。
2 波形から、不整脈を知ることができる。
3 波形から、血圧を知ることができる。
4 P波は、心室の電気活動を表している。
5 T波は、心房の電気活動を表している。

問44 正解2

心電図とは、心臓の活動は電気生理学的に捉えたもので、その波形や調律を評価する。不整脈などと伝導系異常を評価する。

1 心肺停止状態でも、まったく正常な波形が出ることがある。これを無脈性電気活動という。
2 波形から、不整脈を知ることができる。

3 波形から、血圧を知ることはできない。

4 P波:心房の電気活動(心房放電(脱分極))

5 T波:心室の電気活動(心室充電(再分極))

QRS波:心室の電気活動(心室放電)

※有料会員にはより詳しい説明あり

問45 X線撮影における消化管造影検査に関する記述として正しいのはどれか。

1 腹部の撮影の際には、必ず実施する。
2 犬に対して実施するが、猫には行わない。
3 バリウムは、静脈から注入する。
4 撮影時、皮膚にバリウムが付着しても問題は無い。
5 通常、経時的に何枚か撮影する。

問45 正解5

1 単純X線撮影ではうつりにくい場合に実施する。

2 猫に対しても実施する。

3 バリウムは静脈からは注入しない。

4 皮膚にバリウムが付着すると、それが写真に写ってしまうので、皮膚にバリウムが付着しないように注意する。

5 通常、経時的に何枚か撮影して、バリウムの流れを追う。

※有料会員にはより詳しい説明あり

問46 有効成分を1mL中0.5mg含有する注射薬を、体重2.6kgの犬に0.025mg/kgで投与する場合の薬液量として正しいのはどれか。

1 2.6mL
2 0.065mL
3 0.13mL
4 0.0325mL
5 1.3mL

問46 正解3

2.6kgの犬への有効成分の投与量 0.025㎎×2.6kg=0.065㎎
注射薬は1mL中0.5mg含有する。
この注射薬XmLに0.065㎎含有しているとすると
1mL:0.5mg=XmL:0.065㎎
0.5mgX=0.065㎎×1mL
XmL=0.065㎎÷0.5mg=0.13 mL

問47 「獣医師法」が定める犬や猫の診療記録の保存期間はどれか。

1 1年
2 3年
3 5年
4 8年
5 10年

問47 正解2

獣医師法施行規則第十一条の二 「法第二十一条第二項の農林水産省令で定める期間は、牛、水牛、しか、めん羊及び山羊の診療簿及び検案簿にあっては八年間、その他の動物の診療簿及び検案簿にあっては三年間とする。」ゆえに、犬および猫はその他の動物になるため、3年間。

問48 処方略語であるq4hの意味として正しいのはどれか。

1 4時間毎
2 4日毎
3 4週間分
4 1日4回
5 1回4錠

問48 正解1

毎時間ごと投与   qh
2時間ごと投与   q2h
1日1回投与    sid
1日2回投与 bid
1日3回投与 tid
1日4回投与 qid
2日ごとに投与 q2d  (1日おきに eod or qod)

問49 投薬法と略語の組合せとして正しいのはどれか。

1 皮下注射 - IP
2 静脈内注射 - IM
3 筋肉内注射 - IV
4 硬膜外注射 - SC
5 経口投与 – PO

問49 正解5

1 皮下注射 - SC
2 静脈内注射 - IV
3 筋肉内注射 - IM
4 硬膜外注射 - ?
5 経口投与 – PO

問50 0.5mg/50mLに調整された薬剤を、体重8kgの犬に5㎍/kg/hで持続投与する場合の投与速度として正しいのはどれか。

1 0.4mL/h
2 0.8mL/h
3 2.0mL/h
4 4.0mL/h
5 8.0mL/h

問50 正解4

体重8kgの犬に5㎍/kg/hで持続投与するので
   5㎍×8kg=40㎍  

0.5mg/50mL=1.0mg/100mL
1.0mg:100mL=40㎍:XmL=0.04mg:XmL
X=0.04×100=4.0mL


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