2020年度動物看護師統一認定試験 問題と解答・解説(問51から問60)
問51 脈拍・体温・呼吸数のそれぞれの略語の組合せとして正しいのはどれか。
1 脈拍:P、体温:T、呼吸数:R
2 脈拍:P、体温:R、呼吸数:T
3 脈拍:H、体温:M、呼吸数:R
4 脈拍:P、体温:T、呼吸数:B
5 脈拍:H、体温:M、呼吸数:B
問51 正解1
・脈拍 P:Pulse
・体温 T:Temperature
・呼吸数 R:Respiration
『動物看護実習テキスト』によると
・心拍数 P:Pulse
・体温 T:Temperature
・呼吸数 R:Respiration
・股動脈圧 PFA:Femoral arterial blood pressure
・可視粘膜の観察 CRT:Capillary Refill Time(毛細血管再充満時間で、心拍出量と血管の緊張性の評価につながる)
インターネットで調べると多くのサイトが、次のようになっています。
・脈拍 Pulse rate
・心拍数 Heart rate
・・・・ということはテキストが?
問52 輸液ポンプを用いて輸液を行う際、正しいのはどれか。
1 輸液セットは、クレンメを開けた状態で輸液バッグに接続する。
2 空液を防ぐため、点滴筒は液剤を最高位まで充満させる。
3 輸液中、チューブのクレンメは全開にしておく。
4 留置針が閉塞したら、蒸留水でフラッシュする。
5 流量とは、1日に投与する総輸液量を指す。
問52 正解3
1 輸液セットは、クレンメを閉じた状態で輸液バッグに接続する。
2 点滴筒をポンピングして点滴筒全体の1/3程度液だめする。
・液だめ量が少なすぎるとルート内に気泡が混入する。多すぎると滴下を正確にできない。
3 輸液中、チューブのクレンメは全開にしておく。
4 留置針が閉塞したら、ヘパリン加生理食塩水でフラッシュする。
5 流量とは、輸液を1時間あたり投与する量
問53 吸入麻酔の手順として正しいのはどれか。
1 前投与‐導入‐気管内挿管‐維持‐覚醒
2 導入‐気管内挿管‐前投与‐維持‐覚醒
3 導入‐気管内挿管‐維持‐前投与‐覚醒
4 前投与‐気管内挿管‐導入‐維持‐覚醒
5 導入‐前投与‐維持‐気管内挿管‐覚醒
問53 正解1
・麻酔前投薬、麻酔の導入(酸素化→麻酔薬投与→挿管)、維持、覚醒の流れ。
・麻酔前投薬は、動物の不安除去、麻酔の導入・維持・覚醒を円滑かつ安全に行い、全身麻酔薬の副作用を軽減する。
問54 縫合糸と針に関する記述として正しいのはどれか。
1 ナイロン糸は、吸収糸に分類される。
2 皮膚の縫合には、一般的に非吸収糸を用いる。
3 縫合糸は10-0が最も太く、0がもっとも細い。
4 皮膚などの硬い組織には丸針を用いる。
5 浅い部分の縫合には強湾針が操作しやすい。
問54 正解2
1 ナイロン糸は、非吸収糸である。
2 皮膚の縫合には、一般的に非吸収糸を用いる。
3 数字が大きくなると、直径は太くなるが、数字の横に―0がついているものは、数字が大きくなると細くなる。
4 丸針:組織損傷が少ない。臓器、筋肉、皮下組織などの軟組織に使用。
角針:硬い組織を貫くのに適す。皮膚の縫合に使用。
5 強湾針は、術野が狭く、深い場所を縫合するのに適す。
問55 高圧蒸気滅菌に適さないものはどれか。
1 一般外科器具
2 手術衣
3 ガーゼ
4 ドレープ
5 手術用手袋
問55 正解5?(私が学生の時は、選択肢すべてオートクレーブ滅菌をしていました。だから答えは無い!)
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌):一定の温度と飽和水蒸気下で加温・加圧を行う滅菌法。主に、金属製、ガラス製、繊維製のものが対象。
日本薬局方の規定
115-118℃ 30分間
121-124℃ 15分間
126-129℃ 10分間
主としてガラス製、 磁製、金属製、ゴム製、紙製若しくは繊維製の物品、水、培地、試薬・試液又は液状の試料などで熱に安定なものに用いる。
問56 麻酔の実施中に看視する項目と単位の組合せとして誤っているのはどれか。
1 血圧‐mmHg
2 麻酔ガス濃度‐%
3 二酸化炭素分圧‐%
4 酸素飽和度‐%
5 体温‐℃
問56 正解3
3 二酸化炭素分圧‐mmHg
問57 組織の微細な切断や分離に用いる剪刀はどれか。
1 メッツェンバウム剪刀
2 アドソン剪刀
3 メイヨー剪刀
4 外科剪刀
5 ドベーキー剪刀
問57 正解1
1 メッツェンバウム剪刀:皮下などの薄い組織を剥離しながら切開を加える時に使用
2 アドソン剪刀:手術時の組織、布、縫合糸等の切断に用いる
3 メイヨー剪刀:筋膜や腱などの硬い組織の切断に使用
4 外科剪刀(クーパー剪刀):軟部組織や糸を切る時に用いる
5 ドベーキー剪刀:心臓血管外科の際に使用
問58 動物病院の衛生管理に関する記述として、正しいのはどれか。
1 症状を示さない動物は、感染源とならない。
2 病原体の種類に関わらず、ケージは常にエタノールで消毒する。
3 空気感染、飛沫感染、接触感染、経口感染のいずれも起こりうる。
4 担当する動物種を限定することで、院内感染を防止できる。
5 感染性廃棄物は、一般の燃やすとゴミと一緒に廃棄する。
問58 正解3
1 感染していても症状を示さない状態を不顕性感染といい、この状態の動物でもほかの動物に感染を起こす恐れがある。
2 病原体の種類により、エタノールでは消毒できないものがある。病原体により、消毒剤を選ぶ必要がある。
3 病院内ではすべての伝播経路が考えられる。
4 担当する動物種を限定しても、院内感染は防止できない。
5 感染性廃棄物は、感染性廃棄物の汚物入れに入れる。
問59 芽胞菌に有効な消毒薬はどれか。
1 塩化ベンザルコニウム
2 クロルヘキシジン
3 グルタールアルデヒド
4 クレゾール石けん液
5 イソプロパノール
問59 正解3
芽胞に有効な消毒液は高水準消毒薬である。
問60 慢性腎臓病の動物に対し、摂取制限を行うミネラルはどれか。
1 リン
2 カルシウム
3 マグネシウム
4 ヨウ素
5 亜鉛
問60 正解1
リンを制限する理由:慢性腎臓病になると、老廃物を排出できないだけでなく、老廃物以外の物も排泄できない。そのため血液中のリンが増える。血液中のリンが増えると、カルシウムと結合して、ネフロンに沈着、石灰化し、ネフロンにダメージを与える。また、血液中のカルシウムと結合するため、カルシウムの代謝異常が起こる。カルシウムの代謝異常でもネフロンにダメージを与える。
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