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なぜそうなるのか?ー人を動かすこころの動きを知るー

1-1 人が行動を起こすソースはどこにあるのか?
2-1 Maslow,A.H(米国心理学者)の欲求5段階の体系

🔓#リビドー#タナトス#生#死#愛#憎しみ#マズロー#欲求#本能#非合理性#行動#反動形成#利他主義#自尊感情#承認欲求#自己実現#過程重視#現実重視#本質的な問い#自分を受け入れる#反復脅迫

1-1 人が行動を起こすソースはどこにあるのか?
 人を行動に駆り立てるエネルギーはいろいろあるが、フロイトは大きなエネルギーとしてリビドー(生の本能:性エネルギー)とタナトス(死の本能:攻撃的エネルギー)の2つ挙げている。そして、人の行動のソースは無意識の中にある攻撃的思考であり、それは独立的で本能的であり、本質的であると述べている。また人は無意識にある非合理的な思考、本能的な欲求の方が頻繁に作用し、また人を強く突き動かすため、その時の気分でとんでもない行動を起こすこともあるという。
この2つの概念に関しても、エディプスコンプレックスと同様に禁欲主義を掲げた社会的背景において批判をされた。
 この2つの言葉の本質は、自分とは違うものへの関心や愛、生と自分を守るための本能的な攻撃性、破壊力、死にあるのではないかと考える。愛と憎しみ、誕生と破壊、生と死という相反するアンビバレンスさがここでも課題として挙がってきていて、興味深いのと同時にこの二つのバランスをとるように意識をいくのがとても難しいことだと感じている。

2-1 Maslow,A.H(米国心理学者)の欲求5段階の体系

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図-1

人は基本的には図-1の下位層(生理的欲求)から順に上位層(自己実現)の欲求を満たそうとするといわれている。
しかし、この体系は一般論として成り立つがすべてを表しているわけではなく、これらの欲求が完全に段階的に到達していくものではなく、個人の状況や環境などによって行きつ戻りつしていくことを理解しておくことも必要である。
①生理的欲求:人が生きる上で必要な空気、水、食物、睡眠などが安定的に供給される環境にあること
②安全欲求:共同体を作り安心感を持ちたい、物質的な欲求、何かを失うことや人間関係のアンバランスさへの恐怖、雇用の継続、犯罪や事故から身を守るなどの安全が確保されること
③社会的欲求:所属の欲求、消極的仲間外れ(価値観の違いや習慣、言動などの相違によって自ら輪に加わらない)、積極的仲間外れ(受け入れてもらえないこと)、所属の欲求があまりにも強くなりすぎると、反動形成によって自己犠牲による利他主義になり自分を苦しめてしまう
 所属というと、何か自分以外の外の世界を想像しがちですが、アニメを見たり、音楽を聴いたり、読書をしたり、好きなことをして楽しんでいる自分を”自分の所属”としてみてあげることも大切だと考えます。
ふと看却下の言葉を思い出しました。
”足元をふと見れば,いいねと言ってくれる自分がいる”
(原文ではありません)
①~③は外部への欲求
④尊厳の欲求
自我の欲求、自尊感情の欲求ともいわれる
自尊感情とは、他人に支配されずに、自分を尊重して品位を守るために、自分を支える力だとされている。
その力を強めるためには、自分の今の状況を素早く察知して、どう行動すればよいかを冷静に判断して、主体的に行動に移すように意識をしていくことが大切だと考えます。感情、思考、行動のこの3つを鍛えるためには、感情に流されないように可否をせずに「そうか、そう思っているんだね」とまずは自分の感情を受け入れること、考えるベースとなる知識は時間の流れ(もう世の中はsociety5.0時代らしい)とともに変化をしていくので学んでアップデートし、絶対の正答を求めず最適解を求めて、知恵を使って現実に対応して、日々振り返りをしていくことではないかと考えています。
自尊心(自分の存在価値)はとても大切なものですが、時には尽く否定されてぼろぼろに傷つくことだってあります。人間だもの…(ってどこかで聞いたフレーズ)そんな時は自分が不安定になり自尊心は弱って自分で自分を認めることができなくなります。すると今度は「他の人に認めてもらって穴埋めたらいいやん」と無意識が言い出します。これが承認欲求です。
肩書き、学歴、ブランド、虚栄、差別化…どれもこれも本質的に自尊心や自己価値観を満たすことはなく、自尊心(自己価値)は自分の中で地道にエネルギーを補給していきたいと思います。

⑤自己実現
現実重視、夢ばかり見ていてもひとりでに夢はかなうものではない
主体性をもって原動力を活かすことで潜在能力を引き出す
 フロイトは、人が何度も同じ失敗を繰り返す行動のソースが無意識にあると述べています。こころに受けた傷が無意識の中でしこりとなって癒えていないために、そのしこりを除去しようと反復脅迫を起こす。
 何度も同じ話をする人がたまにいますよね。でも「その話この前聞いたんだけど…今忙しいのに…」と思いながら、話を聞いてあげることには意味があるのだと思います。この人はこころにあるわだかまりを除去したいんだな~と聞く側が”そう思えること”で自分の気持ちに余裕ができて、相手の思いの意図を少し垣間見ることができるかもしれません。そして相手もこころが少し軽くなるように思います。

参考文献
チョン・ドオン著,藤田麗子訳(2022).こころの葛藤はすべて私の味方だ。「本当の自分」を見つけて癒すフロイトの教え,ダイヤモンド社
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
                             2024.2.22












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