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和希そらの言葉

仕事を辞めます。働いて10年。

安定した仕事でした。休みも取りやすく、繁忙期も決まっていたので予定が立てやすく、働きやすい職場でした。

でも自分が望んだ仕事ではなかったし、10年働いて、この先のビジョンが全く想像できず、やりたいこともありませんでした。

お金を稼ぐ、ということだけに焦点をあて、無心で働き続けることも視野に入れましたが、やっぱりできませんでした。

決めたのは本当に1日です。1日で決めて、朝に伝えました。やめようか悩んでいます、ではなく、辞めますと。

決意は固いのか確認されて、はい、と答えました。もう十分悩んだので、と。

仕事を続けるかどうかは、ここ2年ほど悩んでいました。残業で夜遅く帰り、くたくたで髪を乾かしているときに、壁にかかっている宝塚カレンダーを見ながら、いつも思っていました。

彼女たちは、こんなに輝いているのに、と。

タカラジェンヌたちは、みんな自分で望み、沢山の努力を重ねて切磋琢磨し、舞台に立っています。だからこそ一人一人が輝き、その姿に私たちが夢を見るのです。

自分で選んだ人生を生きる人は美しいと思います。

そして、和希そらのこと。
彼女はこの春に宝塚を卒業した、雪組元男役スターです。(愛情を込めて、以下、そらぴと呼ばせてもらいます)

彼女の退団発表は、宝塚に激震がはしったと思います。なぜ、と思いました。なぜ、今。

宝塚ファンの友人たちとみんなで驚き、悲しみました。もっと、男役和希そらの姿を見たかったと。そして、もったいないと。

わたしは、そらぴの素晴らしい歌声が大好きでした。彼女の透き通る歌声は、二階のB席にいても届いて、空気清浄機のように癒してくれます。

彼女の歌声と、それからさっぱりとした人柄が大好きでした。どんな時も前向きで、力強く、そらぴのハマり役といえば、アナスタシアのリリーですが、そんなパワフルなリリーを演じるそらぴに一目惚れでした。

「人生は楽しまなくちゃ」の台詞がぴったりで。

退団を決めた彼女は清々しく、でも私には複雑さもあって。もっと彼女の主演作を見たかった。もっと男役、和希そらの活躍を見たかった。彼女なら、それができたのではないか、と。

でも、はっと考えさせられたのは、彼女の退団前のインタビューした。
「自分の今後の人生に、自分自身がすごく期待をしている」というそらぴの言葉です。

男役和希そらの人生は、ここで終わるけれど、和希そらの人生はこれからも続いていく。宝塚でやりきったからこそ、の言葉なんだと受け取りました。

だから、私も。
そらぴほどの努力も、実力もないけれど。私なりに頑張ったからこそ、やりきったからこそ、新しい場所に行こうと。今は、もちろん不安もありますが、新しい自分に会えることが楽しみです。

そらぴのSIXとビルボードライブが楽しみだなあ。

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