附属駒場の進路について

当記事は、筑波大学 Advent Calendar 2020の1日目の記事です。公開が翌日になってしまったけれど気にしない。

自己紹介

名前: きょむ
経歴: 筑波大学附属駒場中学・高等学校卒(東京大学教養学部統合自然科学科物質基礎科学コース在籍中)

何故当Advent Calendarに参加することになったのか

このような流れです。主催者の水無月くんとの親交のおかげで実現しました。

筑波大学附属駒場中学校・高等学校(筑駒)について

筑波大学附属駒場中学校・高等学校(つくばだいがくふぞくこまばちゅうがっこう・こうとうがっこう、Junior and Senior High School at Komaba, University of Tsukuba)は、東京都世田谷区池尻四丁目に所在し、中高一貫教育を提供する国立男子中学校・高等学校。通称は「筑駒」(つくこま)。

wikipediaより引用

筑波大学附属駒場中学校・高等学校(筑駒)は、京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩10分未満の場所にある中高一貫の筑波大附属校です。筑波大学が東京教育大学だった頃は、東京教育大学附属駒場中学校・高等学校(通称は「教駒」)という名前でした。

附属校としての筑波大学との関わりについて

後述の通り筑駒から筑波大学に進学する生徒は殆どおらず、普段の学校生活でも接点が薄いため、生徒として筑波大の附属校であると実感する機会は少なかったです。ただし、そのことを実感させられる機会として、特に以下の2つの事が印象に残っています。

① 毎年必ず筑波大の教育実習生達が大勢来校し、彼ら彼女らの授業を受けることになる
② 中学と高校で1回ずつ、学年全員が筑波大学を訪問する機会がある。

①について、筑駒は筑波大の教育実習の受け入れ先校の一つであり、年2回くらいで筑波大の教職学生達が教育実習生としてやってきます。大体の学年の生徒達が受講生として教育実習に協力することになりますが、筑波大の若い学生達と筑駒の生徒達との間の交流は毎年実りある物になっているのかなと思います。自由な校風の中で独特の生態で生きる筑駒生達にドン引きしてしまう実習生も多いかもしれませんが、こうした異文化に触れるのは貴重で良い経験だと思いますよ。

②については、学年全員が一斉にTXで筑波大学を訪れ、少人数に別れて研究室を見学したりなどします。学年の多数を占める東京圏の西側や南側在住の同級生達がつくばまでのアクセスの遠さを嘆く中、23区北東部在住の僕は優越感を感じていたのが良い思い出です。あの時に「†IMAGINE THE FUTURE†」のクリアファイルをもらった気がします。

この他にも、教職員に筑波大出身者が多いなという感じはありました。なお卒業生は筑波大とは全く無縁の道を歩む人ばかりです。

進路について

ここで、筑駒の進路について見ていきましょう。

2018年:
東大: 109人(現役80人)、筑波大: 1人(現役0人)、京大: 2人(現役0人)

2019年:
東大: 119人(現役88人)、筑波大: 2人(現役1人)、京大:0人

2020年:
東大: 93人(現役72人)、筑波大: 3人(現役2人)、京大: 1人(現役0人)

一学年の人数は毎年160人強です。
進路を見ると、学年の大多数が東京大学に進学し、筑波大学への進学者は僅かである事が読み取れます。一体何処の附属校なのでしょうか...。ちなみに、筑波大進学者のうちの既卒生は全員医学群への進学です。2020年の3人は例年に比べかなり多いように思います。

筑駒の特徴として、良くも悪くも「東大へのレールが敷かれている」という進路状況があります。大多数の生徒は第一志望として「東大 or 東京圏の医学部」の2択になる風潮があり、実際に東大以外の国立非医に進学する生徒もかなり少数になります。(東大に届かずやむを得ず東京の私大に進学する生徒は毎年結構な数います。)特に、京大への現役合格者はなんと3年連続0人であり、京大進学率の少なさは他の東大進学者の多い高校(東京に所在する学校も多数含む)と比べても相当際立っています。海外大への進学者もごく僅かであり、志望進路面での「東大指向」風潮が非常に顕著になっている状況です。おそらく国内の高校で最も顕著なはずです。学歴面でのプライドもあるかもしれませんが、結局「みんなが行くから」という些細な理由で東大を志望する生徒も多いと思います。僕もこうしてレールに流されてしまった一人でしたが、東大へ進学してから一年間くらいは「京大に行けば良かった..」という後悔のような気持ちを抱いてしまいました。(泣)

東大指向の強さとも関係あるように思いますが、筑駒生は「鉄緑会」という学習塾への依存度が高いという実態があります。鉄緑会は主に「東大 or 東京圏の医学部」への合格を目標とした指導を行う塾であり、まさに「レール緑会」と言うべきでしょう。中学受験の合格発表を見にきた直後の小6に対し校門前で「合格おめでとう!次は東大!」という煽り(?)文言の書かれた広告を配り、この時点でかなりの入学前の生徒が鉄緑に入会します。僕もその一人で、入学前の小6の3月から春季講習に参加したことで鉄緑ライフが始まってしまいました。学年が上がるにつれて鉄緑に在籍する筑駒生の割合は増えていき、高3では学年の半分くらいが鉄緑に通っていた気がします。こうして、多くの生徒が東大しか眼中に無くなるような洗礼(?)を受けてしまい、そのまま大学受験に臨むことになります。中1から高3までの6年間だけでも長いですが、実際には大学進学後も講師として鉄緑ライフを続ける元生徒も数多く、現在鉄緑講師をやっている元同級生の話題もよく耳にします。

筑駒・鉄緑という環境で過ごしてきたせいで、流れ着くように東大に進学してしまったうちの一人が僕であります。結果的に今の大学生活には満足していますが、もう少しレールに縛られずに中高在学中に京大など他の大学への進路について真剣に考える余地があれば良かったなぁと思ったりします。東大を目指すにあたっては「非常に恵まれている」環境なのは確かですが、逆に全国の東大受験生と比べると強い意志や強固な目的意識が無くとも「とりあえず」で東大志望になってしまいがちだと思うので、それについては良くないと思います。

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