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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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#幼稚園

けつあごの生まれた日(大池ニキ)

「え?もう一つのエピソードですか?いや~、欲しがりますね~」 少し前のめりになりながら、満面の笑みを浮かべて大池氏は言った。 一見謙遜に見える態度の裏には、隠せない胸筋の躍動を私は見逃さなかった。 「大池さん、2回顎が割れたっておっしゃってたので、もう一つのエピソードを是非お聞きしたいと思いまして」 低頭でおねだりする私に対し、 「じゃあ少しだけですよ」 憎めない笑顔で大池氏は語り出した。 あれは年長の時だったかなあ、 磯部君という友達がいたんですね。 磯部君は目が細くてね

割れた顎が教えてくれた事(大池ニキ)

「いや~、小さい頃ってよくケガするじゃないですか~」 軽快に話始める大池氏は、自慢の胸筋を交互に揺らしながら、 何故か怪我の話題を嬉しそうに語り出した。 「僕ね、幼稚園の時2回顎割ってるんすよ」 けつあご・・・というわけでもないが、その鍛え抜かれた肉体からは、 いつ顎が割れても大丈夫という自信がみなぎっていた。 年少の時だったかな、幼稚園で遠足に行ったんですよ そう、浅草寺幼稚園、わかります? 浅草寺幼稚園の前て石畳なんですよね。 その石畳を、男女で手をつないで歩きながら

バトル オブ 雲梯(サムヒデ)

年中か年長の頃、幼稚園で雲梯ブームがあったんですよ。 休み時間になると、男子全員雲梯集合!みたいな。 それで、何して遊んでたかっていうと、 ただ雲梯を渡るわけじゃなくて、バトルしてました。 最初に、雲梯(ウンテイ)の右端と左端のスタート地点に対戦する二人がスタンバイするんですよ。 それで、ヨーイドンで2人が同時にスタートして、 早い遅いはあるけど、だいたい真ん中位で二人がかち合うんです。 そしたらバトルスタート! お互いが相手を雲梯から落とすために、 足で相手を蟹挟みして