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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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#上海ジュリア

上海ボーリングストーリー(ジュリア)

幼少期は上海に住んでいた。 そのころの記憶なんだけど 、 当時の上海はまだ混沌としていて色々な情報が錯そうしていたし、 アメリカをはじめ西洋の文化はまだまだ見る事が少なかった。 小学校に上がる前の私にも、なんとなくそれが解かっていて、 だからといって、何か特別に思う事もなかったんだけどね。 その頃、私のおじいちゃんは出版社に勤めていた。 多分その関係でなんだろうけど、 当時上海ではすごくレアで珍しかった「アメコミ」を入手してきた。 おじいちゃんはすごいもの

孤高の上海ハニー(ジュリア)

3歳か4歳の頃 おじいちゃんとよく散歩に行っていた 当時中国に住んでいたのだけど、 当時の中国の道路事情は未開発で、舗装されていないとか、 突然穴が開いているとかがざらだった。 おじいちゃんは私が転ばないようにと、 いつも手を引いて誘導してくれていた。 その日もいつものようにおじいちゃんと散歩に行ったのだけど、 なぜか私は手を引っ張られて誘導される事が許せなかった。 「私より先を歩かないで!!」 そう叫びながら、おじいちゃんの手を振り払い地団太を踏んだ。 昨日ま