マガジンのカバー画像

記憶の欠片(幼少期のエピソード)

41
特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
運営しているクリエイター

#indigo藍

駄菓子屋(indigo藍さん)

5歳の春休みか夏休みの出来事 この頃わたしは、頻繁におばあちゃんの家に遊びに行っていた。 おばあちゃんの家は私の住んでいるところから2時間くらい離れていたのだけど、 なぜかこの時期は良く行っていたなあ。 おばあちゃんの家には従妹がいて、 わたしと同い年の従妹と、3歳上のお姉ちゃん、4歳下の妹 私の妹も一緒だから、女ばかり5人いてすごく楽しかった。 おばあちゃんの家の庭で草むしりをするとお駄賃で100円もらえたんだけど、 私達はその100円玉を握りしめていつも駄菓子屋に行く

裏山のタイムカプセル(indigo藍さん)

年中か年長のころ 私は田舎に住んでいた 村という言葉でみんなが連想するイメージそのままというような場所で、 妹と一緒に良く走り回っていた そのころ、近所に潰れた呉服店が解体されて、 その瓦礫が積み上げられたままになっている場所があった。 そんな場所があれば村の子供たちの格好の遊び場になる。 だけどその呉服店跡は、もう一つ子供たちを魅了する理由があった。 それは、「おもちゃ」だ。 瓦礫の中には数々のおもちゃが埋まっていて、 それはそのまま放置されていた。 まだ未開封のおもちゃ