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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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#巨万の富男

冬の日(巨万の富男)

小学生1年か、それ以前、 多分6歳か7歳の頃 1月くらいの事だったと思う。 自宅の居間でこたつに肩まで入ってごろごろしていた。 なぜか居間には自分1人しかいなくて、 何をするでもなく、寝るでもなく、 ふと窓の外を見ると雪が降っている すでに20センチくらい雪が積もっていて、 そこにさらに雪が降っている。 何の音もしていなくて、 キッチンの冷蔵庫が低い音でブーンと鳴っていた。 その時僕は何の感情も抱かずに、 こたつでごろごろしながら、ずっと雪を眺めていた。 この時の

岡田あーみん(巨万の富男)

小2くらいの時だと思う 俺には5上の姉がいて、仲が良かった。 姉は岡田あーみんの「お父さんは心配性」という漫画が好きで、 毎日俺に読み聞かせをしてくれたりしていた。 お父さんは心配性の内容を、俺と姉の二人で全役やって、 コミック1巻からストーリーを進めていく遊びをよくやっていた。 そう、姉にとって「お父さんは心配性」はバイブルだった。 ある日曜の午後、親父が庭で火を焚いていた。 当時はどこの家も、燃えるゴミを庭の焼却炉でガンガン燃やしていて、 1週間分の燃えるゴミ、

かっぱ寿司(巨万の富男)

小学校1年くらいの時、 親戚のおばちゃんにかっぱ寿司に連れて行ってもらった。 一つ上の従妹がいて、僕は従妹と一緒にかっぱ寿司の流れてくるたらいにはしゃいでいた。 当時のかっぱ寿司って、ベルトコンベアじゃなくて、本当に水が流れてたんだよね。流れる水の上に桶が浮いていて、桶の中に寿司が皿に載ってまわっていた。 子供にとっては最高のエンターテイメントで、しかも流れてくるのはお寿司やフルーツ!僕はいくらの皿ばかりとって、端から全部食べていた。 親と回転ずしに行くと、食べれば食べ