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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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#見間違い

タキシードの紳士(うつこさん)謎の男シリーズ③

バス停の男、交差点の殿様に続き、 同じ週に3回目の出来事があった その日はおじいちゃんに連れられ、自転車の後ろに設置された子供用の椅子に座っていた。 おじいちゃんは商店街を私を乗せて走る 流れる景色をぼーっと眺めていると、 道路脇にある洋服屋さんの2階におじさんがいた。 私をじっと見つめている。 まただ。 そのお店は、自宅の一階を店舗にしていて、 一階は洋服屋さん、二階は自宅、そしてお店の上はベランダになっている。 そのベランダに立つ紳士。 そのお店に似つかわしい、茶

交差点の殿様(うつこさん)謎の男シリーズ②

バス停で異様な男を目撃してから数日 確かおじいちゃんと2人だったと思います おじいちゃんに手を握られ、 私は国道の交差点で信号待ちをしていました ふと道路の向かい側を見ると3人信号待ちをしていて、そのうち1人が着物? 江戸時代の殿様が来ているような、肩が尖っていて足が太くなってる服を着ている。 よく見るとちょんまげも結っている。 服は青い空の様な色合いで、全体に和柄が入っていました。 その光景に似つかわしくない異様な出立の殿様が、じっと私を見ている。 目が合

バス停の男(うつこさん)謎の男シリーズ①

みなさんは幽霊ってみた事ありますか? 私はありません。 いや、見たのかもしれないという経験があります。 そう、幼いころに見た三人の男。彼らはきっと・・・。 5歳の頃の話です。 私は家族と車で出かけていました。 目的地に向かう自動車の中で、運転席の後ろに座った私は 窓から流れる景色を眺めながらぼーっとしていました。 見慣れた町並み、地方都市ならではの乱雑に発展した町並みは、 少し下品で、それでいてなんだか楽しそうでした。 このころはまだ町にも活気があったんですよね。 後部