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ナルセ

今年のうちにフランスへ行かむとぞ思ふ。「ルーブルと人」といふ絵を描きて、本を作りたきことあり。然れども、その話を誰にしてもあまり協力を得られず。
皆、巻き込まるることを恐れ、無料にて傍観するを吉と考ふるらし。

然れど我はへこたれず、むしろ具体的に計画を練り込みて、プランB、C、、、と続けてゆくだけなり。意思は強固になりゆくを感じるなり。

何故ぞ。

「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」を読めばなり。大人気の作品なれば、読んだる人も多かるべし。気になりつつも、我は勝手に「野球作品」と思ひ込みて避けたり。野球のルールがあまりわかりかねる故なり。
(然れども、『ドカベン』『タッチ』などの名作はちゃんと読めばなり。作品の力次第なり。)

さらには、「もしドラ」――「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の如き作品ならむ、と予想しき。カバーの成瀬が野球のユニフォームを着てゐたればなり。

然れど、これは野球作品に非ず。

ネタバレに厳しき世の中なれば、詳しき内容を語らぬも、「成瀬あかり」とその周囲の人々の物語なり。この「成瀬」が大変魅力的なるキャラクターなり。

ちょっと変はりたる、真面目、賢きなどあるが、何より行動力が凄し。あらゆることに挑みて、百発中三発ほどものにして帰り来ぬ。

中高時代、斯かる人たちゐたりと思ひ出づ。えっ、何故そこ?といふジャンルに首を突込みて、然れど涼しき顔にて成果を手にして来ぬ。成果無きとも、挑みたること自体が伝説となる如き人たち。

我は伝説を持たざる人間なれば、常に彼女たちに勇気づけられしなり。突拍子も無き思考と実行力。それを真面目に楽しむこと。地味なる創作活動が、結局今も続けらるるも、「我がクラスの偉人たち」が在りてこそ。

この作品は超人「成瀬あかり」を描きし如く、その他の凡人たちの物語なり。その他大勢が、成瀬の騒動に巻き込まれ、自らのことを少し肯定し、自分なりの歩みに自信を持つ。

されば、我も「成瀬」に勇気づけられしなり。成瀬にはなれずとも、成瀬に巻き込まれし凡人にはなれるなり。

ルーブルに行き、描き、本にする。
我なりの信じた道を進まむ。

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