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ネコパンチ
かくて、ラジオ体操を始めて六ヶ月経にけり。なんと、ほぼ毎日続けたり。今までできなかりしは、三日ほどのみ。旅行の時や、一日中他人と共に過ごしたる時、体調不良の時のみなり。
我は継続すること得意と思えど、ここまで無意味に続けし習慣はあまりなかりき。
もともと何故始めしやも忘れたり。二千二十四年の目標を立てし折にでも思ひ出したることならむ。「ラジオ体操くらいなら挫折しても心のダメージ少なし」との打算もありしやもしれぬ。外に出ること面倒にて、机の前にて運動できるものを探したり。
毎日四度の放送に合わせて体操し、終わりたれば、カレンダーにシールを貼るなり。一日に四度なれば、シールは四枚貼らるることになりぬ。最近では、そのうちの一度はYouTubeにある「ポケモンラジオ体操」にして、少し変化をつけたり。
ラジオ体操をして良きことは、主に三つありぬ。
一つ目。毎日体操せば、身体の不調にも気づきやすし。朝一番は身体が硬し。疲れたる時は、骨がゴリゴリと音を立つ。スッキリ爽やかなる気持ちで終えらるる時は、調子良き時なり。
反対に、どうしても十分も集中できぬ時は、睡眠不足や、心配事がある時なり。
二つ目。明らかに身体が引き締まりぬ。普段まったく運動せぬ人間が身体を動かせば、効果てきめんにてある。
ストレスが減りたるか、甘き物を食べることも少なくなりぬ。今までは原稿が立て込めば「ああ、ケーキを食べたし。コンビニへ行きてスイーツ棚を根こそぎ買ひたし」と思ひたりしに。
そして、三つ目。謎の自信生まれたり。誰よりもラジオ体操を追ひてる人間としての自信。一日に四度実施する人なかなか無ければ、人に自慢できぬ。
ラジオ体操にてマウント取ることは、相手も最初から相手にせぬ。気楽なり。幼児が大人に仕掛ける相撲の如し。
膝下に抱きつく三歳児。
あるいは、猫のパンチ。
誰だって超絶柔らかに対応すべし。相手を傷つけずに自慢話を聞いてもらふことなれば、我は上機嫌なるぞ。承認欲求満たされぬ。
もしかすれば、この快感のためにラジオ体操をしているかもしれぬ。
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