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両国中作文試験 H27過去問解説

みなさん、こんにちは。
作文講師のかんのきょうこです。

公立中高一貫校の適性検査では、作文を書かせる学校がほとんどです。
過去問をご覧になった方も多いと思いますが、作文に関しては解答が省略されています。過去問で練習をしようとしても、模範解答がないため、どのように書いたらよいのかの基準がわからずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、公立中高一貫校の過去問で、書き方の解説と参考例をご用意いたしました。


今回は、平成27年 両国中過去問を解説いたします。

白鷗中の公式HP 過去問のページに飛びます。
http://www.ryogoku-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/content/000027269.pdf

課題文をふたつ読ませ、それについての読解問題と作文という出題形式になります。

作文の書き方に加え、読解問題についての解説もしています。参考になさってください。

適性検査Ⅰ
文章1と文章2を読み、あとの問題に答えなさい。

文章1 茂木健一郎「茂木健一郎の脳がときめく言葉の魔法」
文章2 小川仁志「絶対幸せになれるたった10の条件」

【問題1】
文章1に「経験の自己」とありますが、あなた自身の「経験の自己」がこれまでにとらえた幸せについて、具体的に一つ書きなさい。ただし、どんな出来事によってどのように感じたのかを明らかにして書くこと。
【問題2】
文章2に、もちろん熱中できるものは、自分で見つけるに越したことはありません。とありますが、その理由と考えられることは文章1にも書かれています。文章1から理由と考えられることを読み取って書きなさい。

【問題3】
文章2に「おさるのジョージ」というアニメをご存知でしょうか? とありますが、筆者はどのようなことを伝えるためにこのアニメの例を使ったのでしょうか?文章2を読んであなたが考えたことを書きなさい。

【問題4】
文章1と文章2は、どちらも「幸福」をテーマに書かれたものですが、それぞれの文章における幸福についての考えは、どのような点が共通していますか。解答らんに合うように、二十字以内で書きなさい。

【問題5】
文章1と文章2を読んで、あなたの人生を幸福にするためには、どのようなことをしていきたいと考えましたか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。

条件
1 「記憶の自己」・「好奇心」というそれぞれの言葉が、本文で示している内容にふれること。
2 あなたがこれまでにやってきたことと、これからやりたいことをそれぞれ具体例として挙げること。

記入上の注意
〇題名、名前は書かずに一行目から書き始めること。
〇書き出しや段落をかえたときの空らんや、。や「 などもそれぞれ一字に数えること。
〇段落の最初は、一字下げて書くこと。


課題文を読む前に


課題文を読む前に、まず、設問にざっと目を通してみましょう。
このときにチェックすることは、課題文の中で把握しなければならないキーワードです。


問題1:文章1の「経験の自己」とはどんなことを指すか
問題2:文章2の「もちろん熱中できるものは、自分で見つけるにこしたことはありません」という一文と同等の内容を文章1に探し理由と考えられることを見つける
問題3:文章2におさるのジョージを登場させた筆者の意図とは
問題4:文章1、文章2に共通する「幸福」についての考え方とは

このあたりを把握しながら読めれば、限られた時間を有効に使うことができます。
読むのが遅い、内容が頭に入ってこないという子は、効率よく読んでいく練習を積みましょう。

それでは、文章1と文章2について、読解のポイントをあげます。

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