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知的障碍者の子供の兄弟

中学生くらいなのに、病気の親を世話する子供をヤングケアラーと呼ぶらしいが、兄弟が知的障害があると、さらにきつい。
たったの4,5歳くらいから、なんというか人生の不幸部分が同じ部屋の中で展開される。

映画に名作があって「ギルバート・グレイブ」というのがある。
30歳くらいのちょー美青年だったジョニー・デップが健常者で働き者の兄を演じている。
知的障害のある弟をレオナルド・ディカプリオが演じている。賞を取ったかどうか忘れたが、名演なのだ。
デップ兄は、17歳くらいのもうでっかくなった弟をお風呂にいれたり、変な高い塔に登ってわめく弟を連れ戻したりする。
これがまた、日本の親切な警察と違って、ぶっきらぼーな警官が多くて
「兄さんなんだから、悪さしないようにちゃんと見ていろ」
とかって怒られるのだ。
もちろんデップ兄は、普通に昼間働いている。昔からのスーパーでだ。
(この話も、とてもかわいそうなエピソードがあるのだが、映画を見てもらうほうがいいだろう。若者にとって働き場所がないことがわかる。さびれたアメリカの田舎町だ。)


ついでに、映画の中で兄弟の母は、でっぷりと太ったおばさんで、100キロ以上だから立ち上がれない。もちろんたぶん仕事もしてない。
もう悲惨を絵に描いたような一家なのだ。父親はいないので、デップ兄に経済的な面でも、他の面でも重荷がかかる。閉塞感がすごい。

まあ、最後のデップ兄と弟は小さいチャレンジに踏み出すのだが、まあこれは映画をご覧になるといいだろう。
田舎町に住む障害のある、もう大きな子供をかかえたアメリカ人家族の物語だ。

Youtubeには、最近隠すこともなく、自閉症の子供の動画をあげていたりする。
私には家庭内の事情を外にさらけ出すなんて、びっくりであるが、閉塞感を打開したいのかもしれない。わからない。

でも健常者の兄弟も、ずーっと引きずられ、ときにダメな障害のある兄とかを無視して、神経のバランスを保とうとしていることがわかる。




苦しい期間ができるだけ短く、未来があるといいねと思うが、そんなに世の中甘くない・・・。
35歳40歳のでっかい知的障碍者の子供を必死で世話する70代80代の親という構造が見えてくる。

こっちはこっちで、すごい名作があるのだ。
年取った加賀まりこ演じるお母さんは、知的障害のある息子をどうすればいいか悩むのだ。

塚地って、天才。お笑いじゃなくて、俳優に転向してくれたおかげで、素晴らしい名演を見ることができる。


たった1本の光明でも見いだせるといいですね。


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