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プロ漫画家志望の人は、うまい同人友達やプロ漫画家のアシスタントは1-3回だけでもやれという話

アーティスト系志望の人は、正直、だいたい1人作業が好きなのはわかります。自分の作品は自分だけで描いているのがいいに決まっています。まあ、ものすごく背景が下手なら、他人に頼みたいのはわかりますが。

それでつい、誰もそういうアート系友達を作らず、遊ばず、ひたすら描いていたりしますが、正直、2,3回でもうまいアート系友達の製作の手伝いをしたほうがいいことを説明します。

もちろん、ある程度自分よりは上手な相手に限定ですので、下手すぎる人のを手伝っても、反面教師で「ああ、昔、ああいうへたくそな描き方してたよな」と思う程度で、得られるものはありません。なので、手伝ってあげるお友達は、なにかしら、一部だけでも相手が上手なときです。

というのは、そのアート友達の得意技を盗み見たり、「ここ、こうやってよ」といわれると、その指示で上手になるからです。

私は高校は普通科出身で、「体育会と文化祭つき進学塾」と後ろ指をさされていた(笑)田舎の進学校です。大学も経済学部ですので、正規の美術教育はされたことがありません。普通に小学校ー中学校ー高校と美術の授業を受けてきただけです。まあ、常に5段階の5でしたので、普通の人の中ではうまいほうでしたが。
一応、半年ほど美術部にいて、先輩はまじに東京芸術大学を目指している人もいたので(たぶん東京芸大か武蔵野美大とかには行ったと思います)、その先輩の石膏デッサンや油絵は、めちゃうまかったです(高3ですでにピカソみたいな絵だったwww)。進学校なので、「えー?なんで法学部とか工学部にいかんのかなあ?」とぼーっと考えた程度ですが・・・。
まあ、そんなわけで、もし、美大在学中やデザイン専門学校の友達がいたら、絶対に絶対に、その子の部屋にいって、作品を見せてもらったり、アシスタントをして絵をいっしょに描かせてもらって、指導をしてもらうべきなのです。

それどころか、なんとまあ、私ときたら、「絵を描いているときは、ポテトチップスは箸でつまんで、食べろ」というのを知らなかったので、手を汚さない方法も教えてもらいました(笑)。

白手袋とかも、何枚か買いそろえておいたほうがいいです。仕上げた作品を扱うのに、素手で扱うべきではないです。美術館スタッフとかは、そうしますよね。汗で埃がついたりするんです。

あと、マスキングのしかたなんかも、友達のほうが丁寧でしたし、定規で集中線(漫画の効果線のこと)を描くのも、友達が描くほうがきれいなので、定規の微妙な当て方とか、使っているインクとかも勉強になりました。

主役の顔を描くのにしても、「なんか、右利きだと左向きを描くのって、やりにくいなー」と思っていたら、(昔はデジタルがないので)原稿の裏に、右向きで描いて、光で透かせて見せて、それをなぞるとわりとデッサン狂いが減ります。まあ、今はデジタルなので逆向きコピーをするだけですけども。

それと顔を描くのに、十字線であたりをつけますが、なんとそれは日本人くらいで、外国人はそんなことをしません(笑)。どうやって描いているのかわかりませんが、まあ、漫画については、アメコミ漫画家より、鳥山先生とかの日本人漫画家のほうが上手です(笑)。

そういう小手先技が、他人のうまい人からだと学べるのです。

たとえば、墨汁を使う漫画家さんはいますが、私は製図用インクに全面的に切り替えました。墨汁ってなんか臭いのです。だから、他の人の家で製図用インクを使わせてもらったら、感じがいいので、それからは製図用インクしか買いません。ホワイトも特定のメーカーしか買いません(笑)。

鉛筆ももうつかいませんで、B0.7とかの柔らかいシャープペンシルを使います。

https://item.rakuten.co.jp/biggate/34050376065/

消しゴムも、MONOとか、ステッドラーのしか使いません。きれいに消えるからです。
小学生が使っているような、バナナの匂いがする黄色い消しゴムなんて、プロは絶対に許しません(笑)。紙に黄色いしみが残ることがあるからです。真っ白でないと許しませんwww

絵コンテ描くのは、ここのマルマンのA4のを10冊くらい買いだめして、失敗したら、やぶって書き直して、がしがし使い切ってしまいます。

原稿用紙も、最初から罫線の当たりが水色の線で入っているものしか使いません。
ベテランプロは、自前のをおもちでして、名香智子先生の原稿を見せていただいたら、TOMOKO NAKAとロゴが隅っこにはいってました。プロは、何千枚と使いますから、自前用に好きなの用紙で注文していいのです。それに名前を書いておかないと、アホの編集者が1枚、違う先生のを混ぜたりとかしかねませんし、紛失も怖いです。

(この巻じゃないけど、「PARTNER」でダンスのコンクールで遅刻して、大階段を駆け下りるシーンだったが、この大階段がものすごくきれいでした。それにダンス漫画だから、衣装がめちゃ上手でしたわ!!)


筆とペン先にしても、新しいものと、古いものを両方あえて残して使いますう。キャラクターの髪の毛を黒くしたり、なにか墨バックの効果を描くのに、すでに使い倒してぼさぼさになった筆で描いたりすると、荒いタッチでよかったりするのです。固い線で描いたほうがいいときは、新しいおろしたてのペン先を使います。なので、ペンも3本くらいで、新しいの、少し使ったの、ペン先が開きかけている古いの・・・と使い分けるのです。

友達から、たとえばモブシーンや背景で、「こんなビルを描いてよ」といわれると、嫌いだから描かないとはいえません。何か参考写真などを探してきて、それに近いものを描くのです(笑)。それで、だんたん苦手な背景のビルなどもうまくなっていくのですwww

他には、ストーリー漫画で、どう盛り上げるかとかで質問したりすると、友達がどうしたらいいか、2つの演出があるときに、どっちを採用するかなどを教えてもらって、最終的な効果で、読者にどっちがいいかなどの反応もわかります。

自分1人では経験できないことが、アシスタントにいくと、わかるのです。
経験値の共有・伝承は、素晴らしい価値があります。ある意味、非常に日本的で、チームじゃないけど、チームワークの基礎や影響力とも言えます。

ですので、何度かは上手な人のアシスタントはしたほうがいいです。おすすめします。自分では「絶対しなかったけど、割といい効果かも? 次に使ってみようかな?」と思う技が盗めて、面白いです。

泥臭い作業に案外と、神様は宿るのです。
プロには、「好きなものしか描きません」という甘えた根性なしな人にはなれません。
苦手なものでも上手に描くくらいのスキルがないと、プロにはなれないということです。


AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!