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Camping Trailerの解散について

こんばんは。Camping Trailer Vo/Gt の小山恭平です。
記念すべきnoteの1回目の投稿ですが、なかなかヘビーな内容になってしまいました。というか、大事な内容なので、重みも大切、という感じかもしれません。

先日公式Twitterでお知らせしましたが、Camping Trailerの解散が正式に決定しました。 同時に発表したNEWアルバム『burn』のツアーがバンドとしての最後の活動になります。2012年にメンバー2人だけで初ライブをしてから今までの約8年間、応援してくださった方々、本当にありがとうございました。ライブハウスや業界関係者の皆様、制作に関わっていただいた皆様、仲良くしてくれたバンドマンのみんな、色々と教えてくれた先輩バンドマンの方々、支えてくれた友や家族、そして僕らの活動を楽しみにしていてくれたリスナーのみんな、本当に挙げればきりがないですが、すべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。みんながいたから、続けてこられました。本来なら一人ひとりに直接お話ししたいのですが、沢山の人に会うのは難しいので、ここに解散の経緯や、想いを綴りたいと思います。ちょっと長くなるので、気長に読んでもらえると嬉しいです。


メンバー

2012年、前身バンドSchools Overのドラマーだった小川正康(Dr)と共に新しく始めたのがこのCamping Trailerです。最終的に現在のメンバー(小山・齋藤・井上・遠藤・虻川)になるまで、何回かメンバーチェンジがあり、小川正康 (Dr)、小川遥 (Keys)、上田 (Keys/Gt/Cho)はバンドを離れることになりましたが、3人ともCamping Trailerを支えてくれた大切なメンバーです。

最初は小山(Vo/Gt)、小川正康(Dr)のメンバー2人だけでの活動でしたが、齋藤(Ba)、小川遥(Keys)が入ってからは初期の4人体制で本格的に活動が出来るようになりました。しかし後に小川遥、小川正康が相次いで脱退。4人が揃い、このメンバーでずっと続けていこうと誓った矢先の出来事で、実はここで一度音楽をやめようかと思うほど心が折れかけていたのですが、残ってくれた齋藤の前向きな一言に救われ、続けていく決心をしました。今思えば、この時の気持ちがこれまでの1番の原動力だったような気がします。

しばらく小山、齋藤の2人での活動がつづき、後に井上(Dr)、遠藤(Gt)が加入。再び4人体制で活動がスタートしました。それから数年後には、井上の加入時に一度セッションしたことがあった上田(Keys/Gt/Cho)が5人目のメンバーとして加入。彼は諸事情によりサポートメンバーという形でしたが、実質は紛れもなく正式メンバーとして一緒に活動してきました。今回の新作『burn』はこの5人(小山・齋藤・井上・遠藤・上田)で作り上げました。そして、本作の制作をもって上田が脱退。その後を継ぐかたちで虻川(Gt/Keys/Cho)が加入し、現在のメンバーに。新たな5人で最後のツアーを行うことになりました。

メンバーが脱退する度に、バンドの危機が訪れる度に、自分と深く向き合うことになりました。悩むのはすべて自分の責任なのですが、それでも必死に自分にとってのバンドというものを考えてきました。そしてそこで、自分はやっぱりバンドがやりたいんだと、残ったメンバーや新しく入ってくれたメンバーのお陰で、何度も思うことができました。本当にメンバーのみんなには苦労をかけたし、感謝しています。僕の至らなさのせいでうまくいかなかったこともたくさんあったし、今でも悔やむことはたくさんあります。でもメンバーのみんながいたから、僕は潰れずに音楽をやってくることができました。


バンドポリシー

結成当時は僕が大学を卒業し、デザイン事務所で働き始めたころで、学生時代と違い音楽にかけられる時間も心の余裕もぐっと減り、嫌でもバンドとの関わり方を考えさせられた時期でした。就職はしましたが、いつか会社を辞め、生活を犠牲にしてバンド活動に身を投じるのか、それとも会社で働きながら、しっかりした生活基盤の上で、気負いなくやりたい音楽を追い求めるのか。両者とも立派な音楽のやり方であるし、一昔前の“バンドマン像”と違って、実際はもっと多様なやり方があるはずと僕は考えていたので、就職をして仕事をしながら、純粋に自分たちの音楽を追究する事を選びました。
スタートメンバーである小川正康もこの考えには賛同してくれて、後に加入した齋藤もすでに社会人であった事もあり、みんなの意識が揃った状態で活動がスタートすることになります。仕事優先。生活を安定させる事を前提で、残りの時間を最大限に活かし、良い音楽を追求する。そして、できる限りバンドを大きくしていく。それが当初のバンドポリシーでした。


生活とバンドのバランス

井上、遠藤が加入してからは、だんだんとバンドが前に転がり始めました。総勢11バンドが1つのステージでライブを行ったTELMOS.FEST、フルアルバム「Memoryscape + 4」のリリース、バンド初の全国ツアー。すべての経験がかけがえのないものであることは確かですが、この頃の数年間は特別でした。自分達の周りから、初めて行く土地の人たちまで、魂を込めて作った自分達の音楽が少しずつ広がり始めていると実感する日々には大きな喜びがありました。しかしこの頃から、バンド活動が忙しくなるにつれ、次第に生活とバンドのバランスが崩れていったのではないかと、今では思います。


価値観の違い

メンバーもそれぞれ別の道を歩んできた人間であり、それぞれの趣向やバックグラウンドがあります。ある種、多少の価値観の違いは当たり前のことだ思います。そういった違いは、お互いに歩み寄ることで、将来的に解決できるものだと思うし、事実、これまでのCamping Trailerはそうやって解決してきました。しかし最後に突き当たったのは、この“価値観の違い”でした。解決できるはずという気持ちとは裏腹に、今回のこの溝はなかなか埋めることができず、その想像以上の根深さを前にして、これは決定的だと言わざるを得ない状態にまで陥ることになってしまいました。なんとかバンドを前に進めたいし、極力、衝突することも少なくしたい。しかし、根本的な部分が噛み合わないという状況は大きな障害となって、次第にバンドに対する意欲は削られていきました。みんなバンドを良くしたい。でも、心の一番深いところで価値を感じているものが違う。自分なりに歩み寄る努力をしてきたつもりだし、お互いにそうだったと思います。大半のメンバーは価値観を共有できた。でも全員ではなかった。バンドにいる理由はそれぞれでいいと思う。でも根本的な価値観が違うなら、それを打ち明けて認め合うことなしには、本当の意味で同じ夢を共有することはできない。この事実を抱えながら前に進むことは、僕にとって正しいこととは言えませんでした。


メンバーの事情

最後のアルバムとなった“burn”のレコーディング中、井上がバンド活動を休止することになりました。それから1年以上、彼の代わりを別のドラマーにサポートしてもらいながら何とかライブを止めず、活動してきました。しかし当然ながらそれは簡単ではなく、思うような活動はできなくなり、なんとか活動を続けている状態。そして彼が復帰するための環境を整えることも中々できず、復帰の見通しもつきませんでした。しかし仮に彼が復帰したとしても、バンドはこの頃にはすでに、前述の価値観の問題から、前向き歩んでいくには越えなければいけないハードルが多すぎる状態でした。


自身の音楽活動が停滞するもどかしさ

僕はバンドが停滞するもどかしさに苦しみながら、根本的であり、そして決定的な価値観の違いを抱えた状態でバンドを継続していくことに前向きな気持ちを持てずにいました。そして、そのまま1年以上が過ぎ、それは僕の今後の音楽活動を考えていく上でも大きな問題となっていました。人生は短い。ここで立ち往生したくない。きちんとリミットを設けたい。リミットがあるのなら、それより先の未来に向けて少しでも前に進みたい。そんな思いから、今が答えを出す時になってしまったのだと思います。


しっかりとしたけじめをつけたい気持ち

解散という言葉が頭をよぎり始めた時、Camping Trailerという場所は残した上で、活動ペースを緩めたり、活動休止をする方法もあるにはあったとは思います。しかし、その時の僕には、未来に希望が持てなくなり、バンドに対してのエネルギーも減っていくばかりといった状況で、その選択をすることは難しいことでした。僕には腰を据えて自身の表現ができる場所として“バンド”が必要だったのですが、問題を抱えたCamping Trailerの今後は、残念ながらそういう場所にはならないと感じるようになってしまいました。この状態を引きずりながら、細々と続けていくのか、それともこのメンバーで出来る事はすべてやったと割り切って、別の道に歩みを進めるかの選択を迫られることになりました。そして、僕は解散を選びました。

これを書く理由

これが、僕が見てきた解散に至るまでの経緯です。もちろん、メンバーそれぞれに多少は違った考えがあると思います。内情を知る人たちも、言いたいことは沢山あると思います。それに僕だけがこうして思いを語ることは本当の意味では不平等ですよね。しかし、応援してくれた人たちのためにも、せめて僕から、できるだけ素直に起こったことや、感じていることを伝えようと思いました。そして同時に、そうすることがこの解散を受け止める時の、自分自身の支えになればと思いました。


これから

解散が決まった後はふっ切れたように前向きになれました。バンドとして最後の作品『burn』を届けるための活動は、今までの活動を締めくくるものであり、メンバー全員が最後の活動に一丸となっています。この作品はまさに、活動を締めくくる集大成としてのフルアルバムです。1人でも多く、この作品がみんなのもとに届けばと思います。そして解散した後も、共に戦ってきたメンバーへの想いも消えることはありません。彼らが今後どのように音楽と人生を歩んでいくかはわかりません。でも、僕は彼らのファンであるし、これからもお互いに助け合いながら関わっていけたらと思います。彼らはきっとこれからも色々な場所で活躍します。今後も暖かく見守っていただけると嬉しいです。僕と一緒に、彼らを応援してくれると嬉しいです。

Camping Trailerはこういった結末になりましたが、僕はこれからも音楽を続けていこうと思います。必ず、ステージの上に帰ってくる事を約束します。僕はこのバンドと共に成長できました。もう音楽をやることが必要か否かで迷ったりはしません。僕には明らかに音楽が、バンドが必要であり、表現することが必要です。それをこのバンドが気づかせてくれました。


Camping Trailerとして

僕はこのバンドを通して素晴らしい経験が出来ました。一人のミュージシャンとして、アーティストとして、人として、Camping Trailerと共に成長してきました。これまでの活動のすべてを注ぎ、完成させたNEWアルバム『burn』を是非聴いてください。そして、この作品がみんなの心に残っていけば、それほど幸せなことはありません。残りの活動もわずかですが、余すことなく、全てステージに置いていこうと思います。ラストライブでは直接みんなに感謝を伝えられるよに、バンド史上最高の状態にして挑もうと思います。

最後になりましたが、Camping Trailerに関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。


いつもみんなの心に、素敵な音楽が流れ続けますように。
Camping Trailer Vo/Gt 小山恭平


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