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蟷螂

※京都の祇園祭で「蟷螂の斧(とうろうのおの)」のたとえに由来する、からくり仕掛けのカマキリを 乗せた「蟷螂山(とうろうやま)」、別名「かまきり山」という山車がある。南北時代に足利義詮と戦って死んだ四条隆資卿の武勇ぶりにちなみ、後に四条家の御所車にカマキリを乗せて巡行したのが始まりと言われている。「蟷螂の斧(とうろうのおの)」は風刺して言うことが多いが、祇園祭では、カマキリは神、あるいは神の能力をもった使者として崇められている。
※蟷螂の斧とは、「無駄ではかない抵抗」という意味で、「カマキリの前脚」のことを指す。カマキリが自分よりはるかに大きな相手に対し、向こう見ずに攻撃するさまを表している。つまり、「明らかに弱い者が強い者に、自分の力量をふりかえらず挑むこと」を指し、勝ち目のない挑戦でも決して下がることなく向かっていくことを意味する言葉となる。

radikoでカマキリが話題になっていた

カマキリの生態について調べてみる

生きた獲物を大きな鎌でがっしりと捕え、捕食してしまう昆虫界のハンター「カマキリ」。いかにも恐ろしい危険な昆虫という印象だ。大きな眼のついた三角形の顔を自由に動かす様子や、体を反らして様々なポーズで相手を威嚇する姿にはどことなく愛嬌がある。
「カマキリ」というの名前の由来には、「鎌で切る」から来たという説と「鎌を持つキリギリス」から来たという説があるそうだ。元々「カマキリ」の鎌は敵を切るための武器ではなく、獲物をがっしり捕らえるためのものである。また、色や形からバッタやキリギリスの仲間と思われがちだが、実はゴキブリやシロアリなどと同じ仲間に属している。
「カマキリ」は秋に交尾・産卵を行なう。オスよりメスの方が体が大きく、メスがオスを獲物として食べてしまう場合もある。メスは動くものに襲いかかる習性があり、交尾の時には共食いしてしまうケースもある。自然界の子孫繁栄は、人間から見たら壮絶にも思えるが、オスは自分の子孫の栄養となって役立っているのである。
秋に生まれた卵は翌年の春に孵化する。ひとつの卵鞘に、3〜5mmぐらいの小さな卵が100〜300個入っていて、4〜5月に一斉に生まれる。薄い皮を被った状態で生まれ、サナギにはならず、卵から出て宙づりになったまま薄皮から脱皮する。生まれた時から小さいながらもカマの脚や触角があり、誕生して数日後から自分で餌を捕獲するようになる。その後、真夏から秋にかけて、数回の脱皮を繰り返して成虫になっていくが、数百匹のなかから無事に成虫になれるのはほんの2〜3匹。翅がない幼虫時代に、多くの「カマキリ」が他の昆虫の餌食になってしまう。また冬を越す「カマキリ」はおらず、交尾・産卵を終えるとほとんどはその数カ月の生涯を閉じてしまう。
春に孵化した「カマキリ」はまだ体が小さいためあまり目立たず、秋になって充分に成長すると見つけやすくなる。「カマキリ」は花のすぐ下で自分の体を葉・茎に似せて、じっとしていることが多い。花にやってくる虫たちを待ち伏せて狩りをするためだ。「カマキリ」は自分から獲物を探し回って動くのではなく、獲物のくる場所でじっと待ち伏せて捕まえるタイプなのである。
「カマキリ」にはちょっと変わった特徴があり、同じ種類の「カマキリ」でも色の違う個体がいるということ。育った場所や環境によって色が決まるのではなく、遺伝子で決まるということらしい。
「カマキリ」を見ていると、目の玉がずっとこちらを追いかけているように見えるが、「カマキリ」の目は複眼といって円筒状の小さな目がいくつも並んでいる構造なので、こちらから見て真正面の円柱の底の黒い部分(小さな黒目)だけが見えているのがその状態だ。また触角の間には単眼も3つ持っていて、明るさなどを感じている。単眼が暗いと感じると光を多く取り入れるために複眼が大きく広がり、どの角度からでも円柱の黒い底が見えるようになる。その時「カマキリ」の目全体が黒くなる。
世界には、熱帯、亜熱帯地方を中心に約2,400種類のカマキリがいると言われているが、日本ではこれまで15種類ほどが確認されている。

「カマキリ」は、胸の前でカマをそろえるポーズが「祈り」を連想させるとして、日本では古くから“オガミムシ”などと呼ばれている。英語でも「Praying mantis(祈り虫)」と言う。また、「カマキリ」にイボを咬み切らせる、あるいは「カマキリ」をすりつぶしてイボに塗るという薬効から、イボムシなどの異名が残っている。

すっかり「カマキリ」博士になってしまった
たかが「カマキリ」と思っていたが
とーっても奥深い!
人間以外の生き物の生態は
時としてメッセージとなり
気付きを起こさせる

#カマキリ #蟷螂 #蟷螂の斧 #蟷螂山

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