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評㊽㊥鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

 鳥公園(Torikoen)#16『ヨブ呼んでるよ-Hey God, Job’s calling you!-』@八王子市芸術文化会館いちょうホール(小ホール)、全席指定3000円など。追加で買った台本1500円。2023年3月17日~19日。西尾佳織作、三浦雨林演出。上演時間約1時間55分(途中休憩無し)。

 西尾の考えと、八王子をゆるゆる考える。

滞在制作「ゆるAIR」、西尾の考え

  2017年初演で今回は再演でもあり、売りの一つは、
 
鳥公園と東京・八王子市学園都市文化ふれあい財団が2022年4月から始めた「演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス」(ゆるAIR)の第1弾、という奴であるらしい。地味だが一応紹介。
 滞在制作、ですね。ゆるゆる一年間、WSや街歩きなども含めて実施。
 市財団の広報誌などで西尾佳織は、八王子を「アートを“可能性のひとつ“と受け入れる余裕のある、ちゃんと風が通る町」と評価(八王子市学園都市文化ふれあい財団広報誌「ラララマガジン」11・12月号)。
 さらにこんなことも。太字は私。

 『ゆるAIR』の最初のアーティストとして私が関わるのはひとまず3年くらいの予定です。その間に自走できる理念や仕組みをつくっていきたいですね。演劇は上演すれば終わりではなくて、ずっと続いていく。そうやって価値を繋げていくためにはどうしたらいいのかという課題を受け止めてくれる財団にやっと出会えました(略)次のアーティストがくるまでに、自走できる理念や仕組みをつくっていきたいですね。演劇が1回上演して終わるものではなくて、循環していくようになればいいな。八王子でならそれができそうな気がしています。

「ゆるAIRだより vol.1」劇団鳥公園∞公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団

 西尾が真面目に考えていることは、演劇にとっては意義ある事なので、挙げておく。勿論、ほかの演劇関係者もこうした考えをは様々なところで発信しているはずだが。

久々の八王子

 さて、この後、自分の「ヨブ考」が本題に入るのかどうか不明。それは、多くの人が見聞きする昨今のニュースで感じるような、ある種の「重さ」がある。
 ということで、少し本題から逃げるように、久々に八王子に行ったのだった編。
 今回芝居のあったいちょうホールは、JR八王子駅から徒歩15分くらいかかる。甲州街道(国道20号線)の北側にある。バスで行った。帰りは徒歩。
 駅近くに戻ってくる。西放射線通り
 昼でも黒服が立つ場所、として知られる。
 が、まちづくりをしているんだな。

 芸者置屋を中心に、黒塀通りを作ろうという取り組みをしていることは10数年以上前から聞いていた。ただ、近くに風俗店もあったし、どうなるやらと少し醒めた目で(えらそー)で見ていたが、進んでいたようだ。

 にぎわい。いくつかの店。まちを変えていこうと取り組み、そこに乗った人たちがいることがわかる。諦めないことは大事なのだな。

 そして、何よりJR八王子駅周辺ががらりと変わった。
 南北自由通路の先の、南口。昔は小さな八百屋がぽつんとあったが、もはや。

 時が流れ、街が変わっていく。
 昔は「街を変える人」への反発もあったが、最近は、「着々と進める人」へのリスペクトが、どこかである。
 結局、にぎわって楽しそうなら、人々は喜んで集まり、金を落とすのだ。

 ……演劇は人生の表現でもあるから、なにかつながっているだろう。

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