【平家物語】巻03_05 大塔建立
平家物語定番の「突然過去の伏線公開」回です。
今回は、清盛と厳島神社との付き合いの始まり物語。
それにしても、清盛たち、しょっちゅう「悪いことしたらあかんよ」って釘さされてるのね。でも清盛はブレーキきかなかったわけですな。仕方ないよね。「悪行」かどうかの自覚もなかっただろうし。
今回は「蛭巻の小長刀」がどんなものかわかんなくて悩みました。
「銀の蛭巻」はすぐわかったんだけど(ヒルが巻きついたみたいにシマシマに銀を巻きつけるので「蛭巻」と呼ぶそうな)、「小長刀」ってのが、「短いナギナタ」でいいのか自信なくて。
結局資料が見つからなかったので、1Mくらいの短いナギナタとして描きました。
あと描くのにちょっと考えたのは、童形の天人ですね。「こどもの姿だけど、表情がおとな」にしたかったのですが、そう見えるといいな。
さて今回の「大塔建立」では、寺社への勧賞の中で、天台座主覚快法親王(鳥羽院の息子。明雲失脚のあとに座主になった。)が二品の位と、牛車のまま宮中に入る許可をリクエストして、でも断られたので、別の恩賞に変えたという話がさらっと出てきます。
次の章段「頼豪」は、この「恩賞をリクエストしたら断られた」つながりで引き合いに出された、平家物語の時代よりも過去のエピソードです。
平家物語って、こんな風に「あ、〇〇といえば昔こういうことが…」と突然昔語りを始めるので、たまに混乱するんですよねぇ。