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【平家物語】巻01_02 殿上闇討


清盛の父・忠盛は、鳥羽院に莫大な寄進を行い、齢36にして遂に昇殿。貴族たちはそれを忌々しく思い、五節の宴の折に忠盛を闇討しようと企てた。
しかし、この計画は事前に忠盛に漏れ、忠盛は宴の前に、貴族たちが見ているのを承知で鞘巻(柄のない短刀)をすらりと抜いてみせる。
忠盛の忠実な部下・家貞が武装して控えていることもあって、貴族たちはすっかり気が挫け、計画は未然に防がれた。
さらに貴族たちは、宴で忠盛の身体的特徴をはやしたてる歌をうたってからかったりしたものの、やっぱりそれでも気がおさまらない。そこで彼らは鳥羽院のもとへ参上し、「公の場で帯剣するとは、なんたる無礼」と告げ口する。
しかし、実はその刀は巧妙に作られた偽物。かえって院は、忠盛の、恥辱を逃れるための機転に感心するのであった。

忠盛への貴族のイジメと、忠盛のナイスいじめ回避のエピソード。忠盛が自分のパロディソングを宴会で歌われて退出した後の、側近・家貞とのやりとりもカッコ良いのですが、似たようなコマ割りの話が今後出てきそうなので、こっちの場面にしました。
主君を心配する家貞が「どうでしたか?」と訊いたとき、忠盛は「何事もなかった」って答えるんですよね。「ひっでぇ歌でからかわれてさー」ってホントのコト言ったら家貞がブチ切れて刃傷沙汰になるから。

ところで、最初に本読んでたとき、このシーンの鳥羽院は私のイメージではおじいさんだったのですが、鳥羽院って忠盛より若かった…。というわけで、若く描いてます。逆に私の脳内では家貞は若くてさわやかな青年武者だったのです。でもこの人、どうやらけっこうオッサンだったらしい。夢破れました…がくり。