見出し画像

【平家物語】巻01_04 禿(かぶろ)


清盛は51歳のとき大病にかかり、その病から逃れるため出家入道した。
法名は浄海。
出家の功徳か、病はたちまち癒え、平家一門はますます栄えた。

清盛の妻の兄にあたる平時忠は
「平家一門でないものは、人間の姿をしていても人ではない」
とまで言い放った。
清盛は三百人の子どもを集め、「禿」を組織し、平家一門への批判を、ほんの些細なものすらも厳しく取り締まった。
このあからさまな威圧の結果、平家を悪く言うものは京にはいなくなった。

時忠は、平家物語を読んだときの私のイメージではこのまんがみたいな、ドラキュラ系おじさんでした。語尾に「ざんす」とかつけそうです。
有名な「平家であらずんば…」の一言は平家一門の印象を思いっきり悪くしてるわけですが、この人、直接の一門ではなくて、「清盛の奥さん(時子)の実家の人」なんですよね。

清盛の奥さんがもともと姓が「平」だったために、そして藤原だらけだったために、私はこの時代の女性が結婚しても実家の姓のままだと気づくのに時間がかかりました…。中学生くらいの頃、「なんで北条政子は源政子じゃなくて北条政子なのに、平時子は平なんだろう?」って疑問だったんですよね。

脱線しましたすみません。
今回登場した、時子の同母弟である時忠さんは、平家一門の参謀役みたいな役割で、今後も登場し続けます。

さて。髪の毛があるのに「ハゲ」なのはなぜ!?と不思議に思って漢和辞典を見てみたのですが、「禿」という字には髪の毛がないという意味のほか、冠をつけていない、という意味もあるんですね。「冠をつけてない=子どもの髪型」という発想かぁ。

それはそれとして、清盛の、この「禿」の使い方。なんか、エゴサーチしてネガ発言(特に自分とこへの)に片っ端からチェック入れてBANさせてくSNS管理者…みたいな状態ですね。そんなことしてたら、自分たちの神経も参っちゃいそうだけど。