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【平家物語】巻01_03 鱸


清盛の父・忠盛は、武人であると同時に、優雅な歌人としての面も持っていた。のちに薩摩守忠度を生む宮廷女官とは和歌を嗜む似たもの夫婦であった。知略と優雅さを併せ持つ武人・忠盛は刑部卿を最後に、仁平三年、息をひきとる。
その嫡子清盛は保元の乱での功績もあって父以上に官位を上り詰め、ついには、武士の身であるながら太政大臣となる。
その栄華の背景には、熊野権現の御利益があるという話がある。
参詣の途中に船に飛び込んできた鱸を、一門で分けて食したので、彼らに栄華が飛び込んだというのだ。

さかなをたべーるとー、あたまがよくなるー♪ だけでなく栄華も極められるぞというお話でした。
当初、忠盛と女房との和歌のやりとりを描こうかと思いましたが、こっち(鱸が飛び込んでくる話)のほうがより本筋なので、こっちにしました。

ここで国司としての転任について。安芸→播磨がただの転勤なのか栄転なのかわからなくて調べてみたのですが、安芸は「上国」、播磨は「大国」。やっぱり出世が順調です。
ちなみに、「能登殿」でおなじみの平教経の「能登」は「中国」。お兄ちゃんの通盛の越前は「大国」。

鱸がどんな魚か、でっかい鱸ってのがどのくらいデカいのか、私にはピンとこなかったので、そっちも釣り人のサイトを徘徊して調べました。
「セイゴ」時代が20-30センチ、「フッコ」時代が50センチ前後。そして出世魚としての最終形態が「スズキ」。結構でっかいんですね、標準で60センチ超え。
じゃあ、清盛のトコに来たのは縁起物だと喜ぶくらいだから、2M近くあったりしたのでしょうかね。

そうそう。サイトを見て気づいたのですが、ハンドル「鱸」さんな釣り人も多い。本名が鈴木さんなのでしょうか。
それとも、出世魚の最終形態であるこの名前にあやかっての、出世祈願なのかな。