キョウカ イマムラ

-[ ]これは僕が夢の中で聴いた 明日の君を予言した曲なんだ

キョウカ イマムラ

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最近の記事

エンドロールの丘

肩が外れそうだ。 閑静な住宅街に大荷物を引き摺る女は異質だった。 舗装された道もスーツケースを転がすには車輪が取られて、このままでは左手にいくつかタコができそう。 右肩にも大きな革製のボストンバッグをぶら下げており、タコなんてどうでも良くなるくらい今はこの重みが痛かった。 日曜日だというのにこの街は今日も人が少ない。 お陰で耳に入るのは車輪の暴れる音と、ボストンバッグの持ち手の軋む音、そして怒っているかのような私の足音だけだった。 勿論、怒っている訳ではない。 ずっと行

    • 海辺の教室

      今日見た夢の話 この街では、その半分以上が沈むような満潮が一日に何度も来る。 例えば、私の学校は満潮になると一階と二階が使えなくなる。 この街の建物はどれも高くて、潮が引いた頃に外を歩くととっても空が狭かった。晴れていても曇っていてもさして変わらない。 ここの人たちは昔から、そんな環境とうまく折り合いをつけて暮らしている。 この街がいつからあるのか知らないけど。 潮も学校もここでの暮らしも、私はそんなに嫌いじゃない。 でも少しずつ大人に近づくにつれてわかってきたことも

      • 明晰夢の記録②

        今朝見た夢の話です。 女子高生・国立翡翠は戦慄していた。 田舎でも都会でもない、これといって何の特徴もない町で、仰々しいほどに立派な門構えのこの学校は、県内屈指の進学校。いわゆるエリート校というやつだ。 生徒たちは皆人生を賭けた受験戦争を勝ち抜いてここにいるわけだが、実際のところこの学校と生徒たちに対する周囲からの目は羨望や尊敬の眼差しとは言えなかった。 この学校の門をくぐるには一部の天才を除いてそれなりの塾にそれなりの期間通わなければならなかったし、入学金や学費、制服

        • 明晰夢の記録

          目が覚めたら、旦那が血だらけで倒れていた。 私は未婚である。 それなのに目の前で倒れているこの男が自分の旦那であることは理解していた。 即座に察知した。これが夢なのだと。 旦那は、頭をハンマー的な物で殴られたらしく部分的に凹んでいて、うちのフローリングに大量の血を流していた。 部屋もかなり暗かったせいでそれが誰なのかあんまり見えなかったが、知らない男だったと思う。 でもこの時は不思議とこの男が自分の旦那だという確信があった。 夢とはそういうものだ。 夢を見ている自