2018年読んでよかった本

2018年ももう終わりますね.

はやくないですか?体感時間が経つのがはやくなることは,それだけ慣れた行動しかしなかったということを示唆していると思っているので,あまりよくないなと思ったり.慣れって怖いですね.

今年の途中から読書記録をブクログでつけはじめたのですが,それを見てみるとだいたい35冊と書いてあるので,多分今年は50冊くらい読んだのでしょう.

学生のころと比べると読書量はかなり減ってしまったけれど,転職して仕事に慣れてきて心の余裕が出てきて,徐々にペースを取り戻せてきたような気がします.いいことですね.

というわけで年の瀬なので,読んだ本の中から5冊を厳選して紹介します.なお雑に思い出しながら紹介するので,本の趣旨と違う紹介に関してはコメントをいただければと思います🙆

心の進化を解明する
われわれの世界は,トップダウンの〈デザイン〉ではなく,ボトムアップな偶然性によって成り立っています.この前提に立って,「遺伝」「情報の伝達」といった観点から,われわれの社会がいかにして伝承され,組み上げられてきたかという壮大な問いに対する考察をチャレンジしてゆきます.圧巻です.あと,これを読むとドーキンスの『利己的な遺伝子』を読み返したくなっちゃうんだな.

なぜ世界は存在しないのか
ここ10年でもっとも勢いのある新実在論の論客である,マルクス・ガブリエルの一冊です.「世界」はなぜ存在しないのか,というタイトルに意味が隠されています.人類は全体像を把握できることは決してないが,カテゴリのうちであれば把握可能である,という観点(でしたっけ?)は,これまでの相関主義に存在の論拠を求めてきた思想へ新しい風穴を開けたなと思いました.マルクス・ガブリエルに直接インタビューした新書の方も,とても興味深い内容だったのでぜひ.

A PHILOSOPHY OF SOFTWARE DESIGN
ソフトウェアを設計するという行為は,「何を目的に」「どのようにやるべきか」というふたつの問いとつねに戦い続けることになります.本書は,「何を目的に」の部分に「複雑性の軽減」を据え,「どのようにやるべきか」を抽象度高めに原則チックに伝えてくれます.コンパクトにまとまっており,かつ手法のレベルの具体性にまで下りすぎないバランスのよさがありました.新人に薦めたいですね.

プログラミング言語の基礎概念
この本,TaPL のような型理論のガチ入門書を読む前のライトな入門書としてとてもおすすめできます.ちいさな ML を1から実装していきます.単純な型システムから多相の型システムまで,日本語かつコンパクトに入門できるという点で大変良かったです.この本を読んでから TaPL を読み返すと,読めるようになった度合いが明らかに違いました.TaPL に打ちのめされてしまった方にはオススメできます.

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
デザインあるいはアート,絵画というのは,言葉や論理に直すと失われがちな多くの次元や概念を拾い上げられるという点で,私は高度ながらももっとも思考の伝達をスムーズにできる表現手段だと思っています.経営では,従来は「サイエンス」の部分が着目されがちでした.しかし,サイエンス=ロジックのみによる経営は,ときにその目標 KPI 達成のために手段や労力をいとわないといったような問題を引き起こしました.その結果何が起きたのか.倫理観≒美意識の欠如でした.ロジックの限界を実務的に感じ取ることができるという点で,良書だったと思います.

来年は,もうすこし小説も読みたいですね.まだ積読があるので12月中にも良書に出会うかもしれません.年末年始が今から楽しみです.


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神様〜!
哲学とかアートが好きな一般人
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