あとがきの話
先日、村上春樹の新刊『街とその不確かな壁』(The City and Its Uncertain Walls) が発売されました。
村上春樹という名前だけで敬遠している人もたくさん居られると思いますが、最近何か本を読もうと思っていたという人は良ければ選択肢の一つにしていただければ〜
それくらいには面白かったです。
一応、面白いの種類は様々であるとも明記しておきます。
もちろん単行本なのであとがきはない…と思っていたのですが、この本にはありました。珍しいというか、著者様から申し出がなければ多分ないはずです(この本の場合もその例外でした)。
たま〜に再編集され文庫化された本にあとがきがつくことはあります。
どの物書きの人も大体文庫本→単行本の流れをたどり、その流れに乗った方は単行本がメインになるのであとがきを見ることは少なくなります。
あとがきが好きな人は多いと思うので単行本にもあとがきをつけて欲しいんですけどね。自解釈とかついちゃうと違うんですけど…
ここで自分の話になりますが、僕には好きなあとがきがあります。
『いたいのいたいの、とんでゆけ』(三秋 縋 著) のあとがきです。
あとがきがこの小説の本文とリンクしているというのはまあそうなのですがこの文章の要素は、僕が小説を面白いと感じる上で大きな要因になっているなということを感じさせられました。(この本に限らずですが)
そもそも物語終盤で幸せになり、その後に希望と期待を背負うというエンディングを好まない根幹の理由もここにあるのだろうと感じます。
ある意味で落とし穴に蓋がされていると思っているのでしょう。
この文章だけ読むと幸福を望めない人になっていますが、半分その通りで半分違うのかなという感じです。
自分が物語に何を望んでいるのか、何を求めているのかを考えていたら朝になっていました。少なくとも物語の中の人物にとっての幸せが見つかるといいなとは思っている気がします。
ということで以上です。
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