見出し画像

***

日常的なことにふと、実感が湧く。

高い空を見上げて地面があること。
その地面を歩いていること。
歩いている、ということは
重力に耐えうる筋肉があること。

日常的なことを味わいなおす。
体の内側で、なにかを覆ってたものがジワッと溶けだす。
そこに大切なものの輪郭を見つけ、
溶けたものはどこかに吸収されていく。

日常的なことを味わいなおせるのは、
日常的なことを忘れている時があるからで、
忘れてしまうことを憂いつつも
一歩一歩を踏みしめては、
足の裏に感じる地面の重みや
ゴツゴツとした感触を、
今この瞬間だけは逃すまいと
歩く 歩く 歩く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?