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茨城県の新型コロナウィルスの感染状況とワクチン接種に思うこと

最近の感染状況

「茨城県で過去最多の新規感染者数」という見出しをニュースでよく見るようになりました。7月5日から8月8日までの5週間の新規感染者数を見てみると、7月に入ってから加速度的に感染が拡大しているのがうかがえます。

感染状況_88

米疫病対策センターの資料によるとデルタ株は1人の感染者が平均8~9人に感染させると言われています。

コロナ禍に入ってからマスクの着用、手指の消毒、換気に気を付ける、人が多いところにいかない…などなど、いわゆるニューノーマルな生活スタイルも定着しているので「週ごとに8倍増えた!」という状況にはなっていませんが、あきらかにステージが変わったのを見て取れます。


10月までの感染予想

ちなみに、7月5日から8月8日までの感染者の週平均増加率は100.2%となっており、これはつまり1か月間で週ごとに新規感染者数が倍になったということを意味します。その増加率をそのまま未来にあてはめると、このような数値になります。

感染者予想100

10月の2週目には茨城県民全員がコロナに感染するという、悲観的な数値が出てきました。ありえない話のように感じるけど、この1か月の感染拡大はそれくらいのインパクトがあります。

8月8日から茨城も国のまん延防止重点措置の対象になって、酒類を提供する飲食店は8時以降は営業しているところも少ないですし、帰省をはじめとする各種レジャーを自粛される方も多いでしょうから、さすがにここまで酷い状況にはならないと思います。もう少し確度の高い数字として実行再生産数を使って試算してみましょう。

こちらのサイトによると8月8日時点での茨城県の実行再生産数は1.32となっています。実効再生産数とは、ある時点において1人の感染者が全感染期間に感染させる人数の平均値です。

さきほどあげたようにデルタ株自体の感染力は1人から8~9人ですが、人流や人口密度、職場や家族構成(茨城県の平均世帯人数は2.52人)などの生活環境で変わっていきます。

予想図32

まぁこんな感じで楽観できる状況じゃないですね。

年代別の感染状況とワクチンの接種比率

それでは今時点の感染者の内訳について見ていきます。

年代別感染者数

3月末の1週間と直近1週間の新規感染者を年代別にソートして割合も出してみました。もう少し大枠で見ましょう。

年代別2

一目瞭然で高齢者の感染割合が減少して中高年、若年層のそれが増えているのがわかりますね。これ、ワクチンの効果です。

8月8日時点で65歳以上の方、83万9千人のうち87.72%が一回目の接種を終えています。

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一方、64歳以下の方は1回目接種は39万7千回、64歳以下の人口が208万人なので接種率は19.1%と進捗が遅く、デルタ株の感染拡大のスピードにワクチン接種が追い付いていないのが喫緊の課題です。

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コロナにかかるとどうなるの

あらためてコロナに感染することのリスクを考えてみましょう。こちらの記事は2020年12月のものなので変異株の症状は少し異なるかもしれません。

発症した人の80%はかぜの症状や味覚障害など、いわゆる軽症です。自宅療養やホテルなどでの宿泊療養になります。

20%の人は肺炎の症状で入院をして治療や経過観察が必要です。運悪く重症化するのは全体の5%程度だと言われています。

さて、トリアージという言葉を知っていますか?ドラマ「コードブルー」などの災害現場で患者に優先順位をつけて治療しているのを見たことがあると思います。

コロナ病棟でのベッド数は設備や人員の問題で限りがあります。いま現在の茨城県のコロナ病床は600床ありますが、7月21日に19.5%だった利用率が28日には25.2%、8月4日には48.7%と新規感染者数の拡大にともなって急激に切迫しています。

一時期「ウィルスは変異していくにつれて感染力は強まるけど弱毒化していく」という噂がありましたが、ポジティブに捉えられるほどは弱まっていないようです。

これは千葉県のデータですが、年代別の新規感染者のうちどれくらい入院しているか、または重症化しているかの表です。母数が少ない年代の方は重症化率が0%になっていますが、ボリュームのある層は同程度の重症化リスクがあることがわかります。

入院率

話がそれました。トリアージです。

仮に同程度の新規感染者数で推移したとしても、8月中には茨城のコロナ病床は埋まってしまうでしょう。

そうなると、本来は入院して設備の整ったところで治療が必要な人が自宅療養や宿泊療養に回されることになります。アルファ株で感染が拡大し病床が埋まってしまった大阪では19名の方が治療を受けられずに亡くなりました。

ワクチンの効果をあらためて

接種について迷っている方もいると思います。あらためてその効用について見てみましょう。

まずは厚生労働省のQ&Aから引用。

日本で接種が行われている新型コロナワクチンは、いずれも、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。

ちょっとアバウトですね。治験の時点で3万人ほどを対象にプラセボを使った時のデータがあります。

3万人のうち半数に対してワクチン、もう半分には偽薬(ただのでんぷん)を打って経過観察したときに95人がコロナに感染した。そのなかで偽薬を打っただけの人が90人、ワクチンを打った人が5人ということで95%発症しないという実験です。

コロナウィルスは体内に入ると増殖をはじめて体内の組織をボッコボコにする過程で肺炎などを引き起こしますが、ワクチン接種で抗体を作ることによって増殖の大部分を抑えます。よって、発症を95%抑えるだけじゃなく重症化も防げます

体のなかでコロナウィルスが増殖しない分、周囲にうつすリスクも減ると言われています。

ワクチンの効果や副反応(バカみたいなデマへの反証なども含めて)について、かなり良くまとまっているサイトがあるので最後にご紹介します。

打つと決めてる人も一度目を通してみてください。

今日はこのへんで…

茨城県遊技業協同組合の職域接種の事前登録がはじまりました。対象の方は早めのご登録を。

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ibaraki.kenyukyo.syokuiki@gmail.com

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