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ひとり親を「自業自得」と云える観念は、どこから来るのか

実業家で株式会社ZOZOの前代表などと説明をしなくとも、名前だけで顔が浮かぶ。そもそも、今さら名を売る必要などあろうはずもないお金持ち。

「前澤ひとり親応援基金」なるものを資産を持ち出して行うという。
アンケートに答えてくれた「ひとり親(シングル)」を対象として、抽選で1万人へ10万円を贈るという。

個人的な好き嫌いは横に置いて、素晴らしいと思う。

今般の世情から、間違いなく苦しい状況にあるひとを個人の資産で援助するというのだ。どこに非難すべき点があるのか到底理解できない。

敢えて有り得るとすれば、やっかみだろうか。
果てしないほど、くだらない。

中傷は様々で、先に挙げた「売名」だとする向きや、中にはとんでもないものもあるらしい。

自業自得? どういう論拠なのか、思いもつかない。

そもそも支援するのは、ひとり親による「子育て」だ。
たとえば以前の、単なる「100万円あげます」とは状況も内容も異なる。

子どもを育てようというのに数か月くらい見越せる余裕もないのか、というのであれば少しばかりはわからなくもない。
が、それを自業自得とするかはコモンセンスだろう。

私も10歳で父が亡くなり、母ひとりで育ててもらった。
どれほどの苦労があったか想像できるようになったのは、ずいぶんと後だ。自立するまでは、きちんと想像できていたかすら自信がない。
養うべき家族が出来て、ようやくわかったこともある。

養うべき誰かがいるのであれば随分と傲慢な、いないのであれば考えなしの意見である。売名という類にしても、ならば「ご自身の名前を売るとして、同じ事が出来るのか」と尋ねたい。

結局は、持たざる者の妬みでしかない。
どちらにしても馬鹿げた意見だ。

なんであろうと、困っている方への純粋な施しが善行でないわけがない。