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自分で作る書類:親族の概要

親族の概要は、申請者本人以外の情報を記載します。これは、以前紹介した思想要件(普通帰化の7つの要件)にも関連します。ここに記載する親族に反社会的な活動をしている人がいる場合は、その交際の状況が審査に影響します。
またこの書類を最初に正確に作ることによって、申請に必要な添付資料が何かということが明確になってきますので、帰化申請の計画書を作っているという気持ちで取り組みましょう。
こちらもWord Templateを用意しましたのでよかったら使ってください。

記載する範囲

記載する範囲は、以下のとおりです。

  • 申請していない同居の親族

  • 配偶者(元配偶者)

  • 親(養親も含む)

  • 子(養子)

  • 兄弟姉妹

  • 配偶者の両親

  • 内縁の夫(妻)

  • 婚約者

この範囲であれば、死亡した人の情報も記載します。
父母が離婚している場合でも、自分と血のつながった両親は記載します。
離婚した父母が再婚して同居している場合は、同居している父母の再婚相手も記載します。同居していない場合、父母の再婚相手は記載しません。
婚約していないが同棲している相手がいる場合は、その相手の情報も記載します。その際の続柄の記載方法は、担当官に確認しましょう。

記載方法

では、具体的な記載方法を1つずつ見ていきましょう。

①居住地区分

日本に住んでいる親族と、外国に住んでいる親族でそれぞれ別々に記載します。

②続柄

自分と親族との続柄を記載します。

続柄の記載方法

③氏名

漢字、もしくはカタカナで記載します。西洋圏の方であっても、アルファベットは使用できません。中国、台湾、韓国の方など、氏名が漢字の場合はふりがなを記載してください。漢字は日本の常用漢字を用いてください。

④生年月日

生年月日は和暦で記載します。
西暦-和暦の換算はこちらで確認できます。

⑤年齢

数字のみ記載します。「歳」は記載しません。

⑥職業

会社員、公務員、アルバイト、などと記載します。個人事業主、法人経営者の場合は、経営者と記載してください。専門的職業の場合は、具体的な内容を記載してください。(医師、弁護士、教師、システムエンジニア など)
仕事をしていない場合は、無職と記載します。
学生の場合は、小学生、中学生、高校生、大学生と記載します。
小学校入学前の場合は、未就学と記載します。

⑦住所

それぞれの親族が住んでいる住所を書いてください。申請者と一緒に暮らしている場合は「同居」と書きます。
なお住所の番地は「1−1−1-101」などと略さず、「1丁目1番1号日の出アパート101号室」などと正確に表記してください。
日本にいる親族は、都道府県から書き、外国にいる親族の住所は国名から書きます。
住所がわからない場合は不明と書きます。死亡している方は住所ではなく、死亡日を記載します。
なお、同居家族がいる場合、その同居家族分の住民税の納付証明書など、さまざまな添付書類が必要となります。

⑧交際状況等

「交際」は、同居、普段からよく会ったりしているだけでなく、Lineやメール、電話などで連絡を取り合っている場合も「有」となります。なお、交際がある親や兄弟姉妹が先に帰化している場合、帰化日が記載されている戸籍謄本を提出しなければなりません。

「帰化意思」は、その親族が帰化を希望しているかどうかを記載します。すでに帰化している場合は国籍取得日、帰化申請中の場合は、申請の年月日を記載します。

「意見」は、その親族が、申請者が帰化することに対して賛成か反対かを記載します。

「電話番号」は、日中連絡がとれる固定電話・若しくは携帯電話番号を記載します。

電話するだけの関係でも交際は「有」です

チェックリスト

チェックリストで書類に不備がないか確認しましょう。また、必要書類も把握しておくと、後々の抜け漏れがなくなって安心ですよ。
なお、可能な範囲の調査でも分からない場合は、記載欄に「不明」と記載できます。また、人数が多くて書ききれない場合は、用紙を追加することもできます。

まとめ

この書類を作ることで、必要書類の多さや、要件の適合性など、帰化許可の難易度の目安を付けることもできます。
親族が多い場合は、その職業や連絡先などを収集するのに意外と時間がかかります。また母国の親族の情報は場合によっては収集するのが困難なことが予想されます。そのため、帰化許可申請プロジェクト遂行のタスク・スケジュール管理をする際には、この書類作成には十分な時間をとりましょう。後日、別の記事でも帰化許可プロジェクト遂行のためのプロジェクトマネジメントについても記載したいと思います。

意外と時間がかかるので少しずつ準備しましょう


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