見出し画像

6. 思想要件(普通帰化の7つの要件)

これは、日本国に害を与える可能性がないかどうかということです。具体的にはテロ組織と関係があったり、反社会的勢力の関係者だったりしていないですよね、ということです。

本人の状況だけが審査される?

いいえ、本人だけではなく、親族などの状況も審査に影響します。もし親族に反社会的な活動をしている人がいる場合は、その親族との関係性が影響する可能性があります。具体的には同居しているか、どの程度の交際があるか、経済的依存度などが審査の対象になります。
また会社経営者の場合は、役員や取引先の状況も影響します。役員や取引先に反社会的勢力の関係者がいないか今一度見直しましょう。
このように申請の際には、親族、ビジネスパートナーなどの経歴もしっかりと洗い出しておく必要があります。

反社会勢力はだめ

判例から見る思想要件

帰化申請の許可・不許可は、法務大臣の裁量権に委ねられています。
この裁量権には明確な基準はありません。裁量権の逸脱となるのは、
「判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等によりその判断がまったく事実の基礎を欠くかどうか。」
または、
「事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により、その判断が社会通念に照らして著しく妥当性を欠くことが明らかであるか。」
ということです。つまり、「明らかにそれっておかしいよね」とだれもが言うような場合でなければ法務大臣の決定が覆ることはありません。
判例として、朝鮮学校に通学していることで帰化が不許可とされたことを不服とした訴えに対して、東京高等裁判所の判決では、法務大臣の裁量権の範囲内として原告の訴えが棄却されています。

平成27年(行コ)第93号 各帰化許可処分の義務付け等請求控訴事件

まとめ

通常は、思想要件で不許可になることは多くはないと思いますが、一たびここにハマってしまうと、致命打になりかねません。
今のうちから周辺情報も含めて確認しておきましょう。

本人だけでなく周りの状況も確認!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?